出版社内容情報
東京大学名誉教授、最高裁判所判事、宮内庁参与として活躍した團藤重光博士。博士の遺した日記、手帳、書簡等は、博士の法思想の形成や変遷、さらには知られざる最高裁における評議の過程をも解き明かす好個の資料である。本書では、刑事法・法制史の研究者らが資料を詳細に分析することで、團藤博士の思想形成、最高裁判事時代の活動の子細を明らかにする。
目次
團藤重光研究の意義と本書の概要
第1部 團藤重光の法思想・立法論(法学教育史から見る法制史についての一考察―東京帝国大学生・團藤重光の受講ノートをたよりに;満蒙問題と團藤重光―團藤文庫所蔵「蒙古聯合自治政府」法制関連資料の紹介;東大と防空―團藤重光と東京帝国大学特設防護団法学部団;法学の研究動員と團藤重光―戦時下の学術研究会議を中心として;改正刑法準備草案と團藤―名誉に対する罪をめぐる戦前・戦後の刑法改正事業;團藤重光の人格責任論―その形成過程に着目して;昭和28年刑事訴訟法改正と團藤重光;團藤文庫『警察監獄学校設立始末』から見えてくるもの―明治32年・警察監獄学校の設立経緯)
第2部 最高裁判事としての團藤重光(最高裁判例の形成過程と團藤重光文書―国公法違反被告事件(大坪事件と猿払事件)をめぐって
学者としての良心と裁判官としての良心―共謀共同正犯についての團藤意見を中心として
凶器準備集合罪の法益と團藤補足意見―1983(昭和58)年6月23日最高裁第一小法廷判決
迅速な裁判を受ける権利の保障をめぐって―多数意見と團藤少数意見
流山事件最高裁決定と團藤重光補足意見の意義と特徴)
著者等紹介
福島至[フクシマイタル]
龍谷大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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