出版社内容情報
資料や緻密なデータ解析に基づき、明治以来の民事訴訟の立法と運用を概観し、訴訟の長期化改善等、いまなお抱える問題を紐解く。
内容説明
争点整理手続の形骸化、「協同進行主義」の低迷、審理期間の長期化―。国民にとって真に利用しやすい民事訴訟とするための解決策をどこに見出せばよいのだろうか。わが国の民事訴訟が現在抱える問題に向き合うためには「民事訴訟の現在位置」を再確認することがその第一歩である。膨大な文献資料・緻密なデータ解析に基づき、21世紀の民事訴訟はどうあるべきなのか、現行民訴法の制定にかかわった著者が旧法を知らない世代に向けて放つ渾身の作。
目次
第1章 自由主義民訴法の誕生‐ドイツ民訴法の継受―“戦前第1期”旧旧民訴法の成立(明治23(1890)年)~旧民訴法の施行の前年(昭和3(1928)年)(旧旧民訴法の成立;旧旧民訴法の内容 ほか)
第2章 民訴法の社会政策的機能の充実‐大正改正―“戦前第2期”旧民訴法の施行(昭和4(1929)年)~終戦(昭和20(1945)年)(旧民訴法(大正改正法)の成立
旧民訴法(大正改正法)の内容 ほか)
第3章 当事者主義の強化‐アメリカ法の移植―“戦後第1期”終戦の翌年(昭和21(1946)年)~その30年後(昭和50(1975)年)(昭和23年改正法の成立;昭和23年改正法の内容 ほか)
第4章 国民が利用しやすい民事訴訟‐現行民訴法の誕生―“戦後第2期”戦後第1期の翌年(昭和51(1976)年)~現行民訴法施行の前年(平成9(1997)年)(戦後第2期の事件処理の状況;現行民訴法制定までの法改正 ほか)
第5章 21世紀の民事訴訟‐「新民訴世代」への期待―“戦後第3期”現行民訴法施行の年(平成10(1998)年)~現在(平成29(2017)年)(現行民訴法施行後の事件処理の状況;現行民訴法施行後の法改正 ほか)
著者等紹介
福田剛久[フクダタカヒサ]
1975年京都大学法学部卒業。1977年に東京地裁判事補、1987年東京地裁判事。1989年に最高裁事務総局行政局参事官、1990年最高裁事務総局民事局第二課長、1993年最高裁事務総局民事局第一課長兼第三課長、1997年東京地裁部総括判事、2004年最高裁上席調査官、2009年静岡地裁所長、2011年東京高裁部総括判事、2015年高松高裁長官を歴任し、2016年に定年退官。2017年より弁護士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 書き言葉のシェルパ