出版社内容情報
特に2000年代以降、法改正が相次いでいる少年法分野の理論上・実務上の重要問題を取り上げ、法学的・刑事政策的検討を加える。
序論――少年司法の現在と未来への見取り図
第1部 少年司法改革と少年の保護
1 現行少年法制定過程から見た捜査と審判の分離──現行少年法の理念と原理
2 家庭裁判所の役割・機能と少年係裁判官の資質
3 抗告受理申立てと迅速性の原則
4 少年法改正と少年補導条例の問題点
5 保護観察中の遵守事項違反に対する措置の体系的な位置づけ
6 少年の拘禁施設と国際人権法
第2部 少年司法改革と少年に対する適正手続保障
1 少年に対する勾留制限の史的構造
2 観護措置決定手続における弁護士付添人の立会の可否
3 国選付添人制度の展望と課題
4 少年法における一事不再理の原像
5 少年再審の理論的課題
第3部 少年に対する刑事手続・刑事処分と成長発達権保障
1 少年法と刑事手続
2 原則逆送」は何をもたらしたのか――鑑別判定の数量的変化からみた少年司法運営の検証
3 「原則逆送」再考
4 少年に対する裁判員裁判――死刑事件を契機として
5 少年の刑事施設被収容者の処遇と法的地位
【著者紹介】
九州大学大学院法学研究院准教授
内容説明
急速かつ根本的なレベルから変革を遂げている2000年代の少年司法改革は、それまでの歴史をどのように踏まえ、どのような価値選択を行っているのか。「改正」措置は、現実にはどのような機能を営んでいるのか。少年法規範の歴史や国際人権法規範からの要請を踏まえた「少年保護」の構造とともに、この「改正」の構造を解明。少年司法制度を、少年と社会に「開かれた」構造を核心に据える制度と理解し、少年司法の社会性をとらえ直していく中で、現在直面する問題を解決するための糸口を探っている。
目次
少年司法の現在と未来への見取り図
第1編 少年の処遇・身体拘束と少年保護(少年法第二次改正と少年補導条例の問題点;少年に対する勾留制限の史的構造;保護観察遵守事項違反に対する施設収容規定の問題点)
第2編 少年に対する適正手続保障と少年保護(現行少年法制定過程から見た捜査と審判の分離―現行少年法の理念と原理;少年法における一事不再理効の原像;少年再審の理論的課題;国選付添人制度の展望と課題;国選弁護士付添人制度と検察官関与)
第3編 検察官送致決定、刑事手続と少年保護(少年に対する裁判員裁判―死刑事件を契機として;「原則逆送」は何をもたらしたのか―鑑別判定の数量的変化からみた少年司法運営の検証;「原則逆送」再考;少年法50条の法意)
著者等紹介
武内謙治[タケウチケンジ]
1971年熊本県に生まれる。1995年九州大学法学部卒業。1997年九州大学大学院法学研究科修士課程修了。2000年九州大学大学院法学研究科博士後期課程修了。九州大学大学院法学研究院助手、日本学術振興会特別研究員を経て、九州大学大学院法学研究院准教授。博士(法学)。専攻は少年法学、刑事政策学、刑事法学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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