少年裁判官ノオト

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784535515000
  • NDC分類 327.8
  • Cコード C3032

内容説明

ある日、型破り判事の元に回されてきた「少年A」の事件。「酒鬼薔薇聖斗」の心の闇をさぐり、被害者の思いを受け止め苦悩した日々。初めて綴る、少年院本退院までの7年5ヶ月、そして少年審判改革。「少年審判改革判事」のターニングポイントとなった、あの事件。少年、親、調査官、弁護士、教師、裁判官、そして被害者…少年審判にかかわる全ての人が情報を共有し、解決に向け知恵を出し合う少年審判改革とは?退官してもなお、少年たちの立ち直りのため東奔西走する著者の、ユニークな少年審判のすべてを公開。

目次

少年Aとの7年5ヶ月
裁判官は依存症
死刑事件と写真帳
同席調停の“発見”
オヤジ狩りの“恐怖”
簡易送致
ギターを盗んだ中学生
少年たちは情報通?(1)“怪盗ルパン四世”を夢見る少年
少年たちは情報通?(2)“あしたのジョー”の世界
少年たちは情報通?(3)集団暴走の人間模様〔ほか〕

著者等紹介

井垣康弘[イガキヤスヒロ]
1940(昭和15)年大阪生まれ。1967(昭和42)年任官、各地を転勤しながら刑事、民事裁判、家事審判を約10年づつ経験。両当事者を同席させる調停改革は「岸和田方式」として全国に波及した。1997(平成9)年神戸家裁(少年部)に転勤。間もなく担当した神戸須磨連続児童殺傷事件をきっかけに、修復的司法の考え方を取り入れ、調停改革のノウハウも結びつけた少年審判運営を推進する。2005(平成17)年1月、定年退官。現在は弁護士として、少年事件の付添人を中心に活動している。また「少年問題ネットワーク」「対話促進による紛争解決研究会」「少年問題を考える会」「被害者加害者対話支援センター」など団体、研究会の主宰・運営にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

31
家栽の人みたいな裁判官。こんな人リアルにいたんだな。理念と行動力は真似できないなーと思いつつこれについていく調査官書記官はさぞかし大変だったことだろう。広報不足を指摘するくだりはちょっと賛同できない。自分の手柄をアピールする野球の審判はいない。公平中立とはそういうものだと思う。著者は先月亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りします。2022/03/29

小鈴

12
しつこい性格のため土師守さんの『淳それから』を読んで情報公開について井垣さんとは異なっている点があったので確認。少年審判で情報公開されないため民事訴訟で記録の閲覧謄写を求めたが、裁判所書記官の都合で土師さんの閲覧許可が降りず弁護士のみに。そのかわり弁護士が選別したもの(A両親調書、鑑定書、判決文全文など)は土師さんの手元に渡るように配慮した、と書かれている。『それから』では、被害者が合法的に記録を入手出来ないことに怒りを露わにしていたので入手できなかったと思い込んでいたが、そうではなくてあえて「合法的」に2015/06/26

小鈴

8
神戸少年A事件の裁判官。様々な少年事件について書かれておりどれも興味深いが少年Aに絞って感想を。文藝春秋で全文を読んだ後にこちらを読むと裁判官が何を考えていたかがわかるし、また難解な部分の解説もありより深く理解できた。不覚にも初めて知ったのだが、精神鑑定(鑑定人)は中井久夫氏だったんですね。井垣氏は神戸家裁に転勤後2ヶ月、神戸に来て初めて少年部に(刑事→家事→少年)。キャリアはあるが少年事件はほぼ初心者!だけど、この方は過去にも色々新しいことに取り組み転勤(左遷!?)で部署が変わる羽目に。2015/04/20

こめんぶくぶく

3
身を粉にして、命も削りながら信念をもって裁判官の仕事に邁進されている様子が伝わってくる。少年Aに関する記述に興味を引かれたが、一番印象的だったのは「中学校以降の教育を受けていないAに、自分の経験を言葉に紡ぐことができるほど、教養を身につけさせたい。十年後でもかまわない、自らの言葉で綴った「手記」を発表してほしい。そのとき、わが国の「少年司法」は勝利する」という部分。実際そのとおりこの本の出版から約10年後「絶歌」が出版された。2016/06/05

MH

3
「保護観察について『ほとんど役に立っていない』と誤解している裁判官や調査官は今でも多数いる」の記述は結構ショック。異端の裁判官だったようだが少年事件に対する熱意が素晴らしい方。以前「反省させると犯罪者になります」という本を読んだので、作文・反省文の「出来」「レベル」を重視しているのが気になった。当否はわからない。2015/04/23

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