内容説明
著者が松川弁護に加わったのは、苦闘10年の末、最高裁大法廷の逆転差戻し判決を得てはじまった、仙台公判からである。全国の老・壮・青の弁護士が一体となって編成された松川弁護団が盛り上っていた時期に、もっとも若い弁護人として力を尽くされた。著者は松本善明さんの担当を受け継ぎ公判に立ち会い、最終弁論では一番注目されていた「諏訪メモ」を担当され、科学的かつ独創的な「メモ速度論」で検事論告を論破し、マスコミの絶賛を浴びた。いくつものエピソードを交えて事件を回顧する本書は、事件50年を飾るにふさわしい。
目次
松川の法廷に立つ
二つの自白
一審の公判
真実は壁を透して
松川への道
現場検証
新しい証拠
諏訪メモの弁論
諏訪メモの独り歩き
無罪判決
二人の法曹
最高裁調査官報告書