内容説明
生命倫理という用語は、バイオエシックス(Bioethics)の訳語であり、これは、アメリカのケネディ倫理研究所が、医療の発達と患者の権利に関する新しい観点からの論議の高まりを背景として、一九七二年にバイオエシックス百科事典を編纂しはじめた頃から、学問体系として確立されたものとなった。本書は、医療と法と生命倫理の問題に関心を持たれる一般の方がたに広く読んでいただくことを意図して著述した。したがって法律専門用語はほとんど用いず、できるだけ分かりやすくしかも可能な限り新しい動きをとらえて記述した。
目次
第1部 生命誕生の周辺における法と生命倫理(人工授精・体外受精の法律問題;遺伝子技術の応用と人権 ほか)
第2部 生活の場における医療と法と生命倫理(人体実験・新薬の開発と臨床試験;美容整形における事故と民事・刑事判例 ほか)
第3部 生命終息の周辺における法と生命倫理(エホバの証人と輸血拒否、被収容者のハンストと強制栄養補給;臓器移植の法的論点 ほか)