出版社内容情報
様々な困難の中を生きる現代の中高生たち。容易に支援を求めない彼ら・彼女らにかかわる大人、そして本人たちへのメッセージ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
luckyair
4
「何かあったらいつでも言ってね」「何でも相談してね」という言葉は世に溢れている。しかし、それは援助側の「何かあっても言わなかった」という免罪符になっている側面がないか。精一杯の助けを申し出ても、一般論や指示、口先ばかりだけで行動しない機関がどれほどあるか。また、「良かれと思って」「将来のために」という、目の前の子どものためではなく押しつけの基準を強いている教師はそれを自覚しているか。上記含め、自傷行為の理由や背景など、じっくり読み進めると重いが大人として理解しておかなければならないことばかり。★★★★2023/04/11
huchang
1
少なくない著者が、「助けて」を受信する大人に言及していた。直接助けてと頼まれることはきわめて稀なことで「大丈夫?」と気づいて気にかけてもらえた経験があってこそ、誰にナニを助けてもらうのがベターなのかを判断できるようになるのよな。自己責任言い過ぎて、我々大人の端くれは、子どもを守る責任があるのを忘れとりゃせんか?と思うですよ。精進しないとあかんな。2023/10/28
きくりん
1
「助けて」が言えないのは、言えない人の問題なのだろうか?「助けて」と言っても助けてもらえない、そんな環境にいたら「助けて」と言えないのが当たり前ではないか。「助けて」と言ったら助けてもらえる、そんな安心感があればこそ「助けて」が言える。「『助けて』と言えるようになりましょう」と言う前に、安心して「助けて」が言える環境を作ることが第一であるとつくづく思わされる。2022/11/29
klopfer
1
「困ったらSOSを出そう」と呼びかけながら「レジリエンス=折れない心を育む」という矛盾の狭間という文章は短いながら本質的だなと思わされる。 その矛盾をいかに抱えて支援していくのかについて、各著者の知恵が詰まっている。2022/10/21
gami
0
「『助けて 』と言おう」って言うけれど、「聞いてもらえない」「次に繋がらない」という状況は、いい加減に問われなければならない。大人側がそんな状況を作っているので、言えるわけがない。 そもそも大の大人が逃げたくなるような、 専門職でも出口が見出せないような困難も多々ある。自身の人間観や社会通念と反して理解が出来なかったり、「甘え」と口元まで出掛かることもあるだろう。児相もいのちの電話も常にパンクし、極端に厳しくなければ拾われない。 実は大人側が「助けて」を聞けなくなっている認識は持ってほしい。2022/11/10