出版社内容情報
雑草の生存戦略を「ランチェスター」「ブルーオーシャン」などのビジネス戦略と絡めて紹介!
内容説明
オオバコ、カタバミ、スズメノテッポウ、オナモミ、ミゾソバ、スズメノカタビラ、セイタカアワダチソウ、ネナシカズラ…逆境をチャンスに変えるしたたかな成功戦略!植物学者が、ランチェスター戦略、ブルーオーシャン戦略、ドミナント戦略などのビジネス戦略と絡めながら、丁寧に解説。
目次
1 「雑草」という戦略(植物という世界のイノベーション;生物にとって「強さ」とは何か?;ルデラルという戦略)
2 「雑草」の成功法則(雑草の成功法則「逆境」;雑草の成功法則「変化」(変化するために必要なもの;変化とはチャンスである;時代の変化に対応する)
雑草の成功法則「多様性」
雑草の成功法則とは何か?
雑草の特徴的な戦略)
3 「雑草」という哲学(雑草と日本人)
著者等紹介
稲垣栄洋[イナガキヒデヒロ]
1968年静岡県生まれ。静岡大学大学院農学研究科教授。農学博士。専門は雑草生態学。岡山大学大学院農学研究科修了後、農林水産省に入省、静岡県農林技術研究所上席研究員などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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trazom
95
これは面白い。雑草をテーマにして、見事な経営戦略本にもなっている。「踏まれても踏まれても立ち上がる」のが雑草魂と言われるが、本当の雑草の戦略は「踏まれたら、立ち上がらない」。闇雲な根性論より、よほど合理的で巧妙である。サイズで勝てない弱者が生き残るために、スピード、攪乱適応性、ストレス耐性、多様性で、どんなに見事な「選択と集中」を実現しているかを、具体的な雑草の例で明快に解説されているが、「コア・コンピタンスを活かしてナンバーワンになれるドメインを見つけろ」と説く経営戦略の教科書を読むような痛快さである。2021/01/12
Yamazon2030
51
2021(51) 雑草の生存戦略についてのエッセイ。 ・環境変化を乗り越えるために必要なものは、スピード ・雑草の成功法則、逆境×変化×多様性 ・踏まれるスペシャリスト、オオバコ ・草刈に耐える、イネ科 ・チャンスを待つ、シードバンク ・雑草は立ち上がらない ・困難な状況でも、種子を生産することに力を尽くす ・変化とはチャンス ・種子の性質がバラバラな多様性が武器 ・弱さを見つめ強みに集中 ・シンプルにする ・できるだけ戦わない ・戦う場所を絞る ・多様であることに価値 逆境の時代、とても勉強になった。2021/10/24
yyrn
31
人類が出現する遥か以前、造山運動や豪雨・洪水、温暖化や寒冷化など、環境の激変を繰り返す地球では大木に成長した木々はその変化に追いつけず、木々に変わって地球上で繁殖したのは草だったと著者は言う。草から木々ではなく、木々から草という展開には驚くが、頼りなさそうな草でもその場所でナンバー1だからこそ生き延びている、たまたまではないという指摘には目からウロコだった。逆境・変化・多様性に対応して「ナンバー1になれるオンリー1の場所」を見つけて今日も雑草たちは、タネを残すためにあの手この手で頑張っている!2021/02/23
清游@草ぶえの丘で森林浴♨︎
30
雑草って特徴無いし、どこにでも群れるから逆張りで行きましょうという単純論だと思いきや!? 生態特徴になぞらえてとっても面白い戦略論でした^ ^ 中学の性根が腐ってた時期にタンポポ理論を展開する先生に出会え改心したことを思い出しました(タンポポは雑草じゃないって?^ ^)2020/10/25
りょうみや
25
著者の過去の雑草本をより体系的にわかりやすくして少しビジネス本っぽくしたような印象。安定な環境では純粋に力のある者が有利、弱者が不安定な環境に生き抜いていくための術を雑草の生態から大いに学ぶことができる。役に立つとか考えなくとも読み物としておもしろい。武将の家紋にも雑草が多く、「雑草らしい」ということが褒め言葉として通用するのは日本だけということも、雑草の生き方は日本人に合っているのかもしれない。2020/11/09