内容説明
社会人経験豊かなハウスの寮長、有名企業から派遣されたハウスを支える若手スタッフ、生徒の知的好奇心を刺激する教員、そして生徒たちが織りなす「団結」と「対話」が生む人間力。トヨタ、JR東海、中部電力…経済界が総力を挙げて設立した中高一貫校の可能性とは。
目次
第1章 海陽の一日、そして一年―初めて明かされる全寮制の全貌
第2章 よちよち歩きの新設校―創設スタッフが語る学園誕生の悲喜交々
第3章 授業の深み―当たり前のことを丁寧に
第4章 学園の心臓部―ハウスでの生活
第5章 十人十色の学園の父たち―第2のキャリアを教育に賭ける寮長=ハウスマスター
第6章 生徒を伸ばすキーマン、フロアマスター群像―生徒の生活を束ね、指導力を身に付けて帰る若き企業人たち
第7章 大海に出でた井の中の蛙たち―1期生・2期生の多様な進路と現在に見る“成長”
著者等紹介
鈴木隆祐[スズキリュウスケ]
1966年長野県軽井沢町生まれ、法政大学文学部日本文学科在学中より出版社で雑誌編集を始め、その後フリーの道へ。数々の月刊誌、週刊誌、ムック等の編集や執筆、制作を手がけ、様々な分野を渉猟するが、なかでも教育はライフワークと自負し、丹念な学校取材では定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しろくま
4
愛知県に2006年に設立された全寮制の中高一貫男子校「海陽学園」。日本で中学高校と全寮制の学校というのは珍しいのですね!イギリスのパブリックスクールイートン校をモデルに、トヨタ自動車、JR東海、中部電力が中核になって作った学校だそうです。まだまだ手探りな感じが伝わってきましたが今後に期待。著者の個人的な意見が時々気になる気がしなくもないですが、この学校に興味がある方はぜひご一読を(^-^)2017/01/26
貧家ピー
3
愛知県蒲郡市の中高一貫全寮制学校 海陽学園。学園設立の経緯、1日のスケジュール、先生のインタビューの他、著者が感じる短所にも言及。 トヨタ、JR東海、中部電力のトップが、次代の教育を論じる中で生まれた学校、じゃあ自分たちで作ろうというパワーが凄い。卒業生がどう活躍するか楽しみだ。 2016/06/18
pinkie
0
愛知の全寮制中高一貫校の内情を描いた本。(2013年初版ということもあるが)授業については意外に基礎・基本を重視した「普通の」学校なんだなと感じた。海陽学園の独特さは教室以外の部分、特に寮生活と関連企業からの支援のふたつにあるように思う。勢いのある企業の良さを活かした学校運営のスタイルは、公立学校でも一部参考にできそう。ひとつ挙げるならば、筆者が所々自分の教育経験を投影しながら海陽学園の実態を描いているのが残念。本全体での海陽学園に対する筆者の立ち位置が一貫してなかった。2017/02/06
2011opus
0
海陽学園の教育方針をはじめ、授業、教師、生徒の実際や寮生活などについて、よくわかります。筆者が感じたマイナス部分も少しですが、入っています。本当の姿は通っている人や保護者などに聞いてみないとわからない部分もあるとは思いますが、学校見学と合わせて読んでみると実態に近い所も想像ができると思います。まだまだ運営は模索中の感じですが、エッセンスは十分わかると思います。 構想と立ち上げ時の苦労、授業、学生、教師、保護者、卒業生、ハウスマスター、フロアマスターごとに章立てされてインタビューも交えた構成になっています。2013/10/20