今を生きるための「哲学的思考」―“想定外の世界”で本質を見抜く11の講義

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784534050014
  • NDC分類 104
  • Cコード C0030

内容説明

哲学的思考は、普通は疑ったり、考え直したりしないような“ごく当たり前”に思えることを疑ってみるあり方です。「従来の当たり前」、「従来の常識」にとらわれたままでは、まっとうに“今”に生きていくことはできません。みなさんの身近にあるものをとりあげながら、「哲学」を使って、世の中の真実をつかむ方法を紹介しましょう。

目次

第1部 「哲学的に考える」とは、どういうことか(哲学とは「そもそも」という問いである;「今」の私達の考え方の根本にあるもの―「我思う故に我あり」と「コペルニクス的転回」;「哲学」は“今”に使えるのか;「哲学的思考」で“ロボットの心”を考えてみる)
第2部 「哲学的思考」を使ってみよう1 デジタル・ネットワークと私の「生き方」(デジタル・ネットワーク時代の“私”と“あなた”―バラバラな私達と「ネット監視」社会;“私”のいうことの終わり;「オリジナル」とは何か?―文化の本質と「コピペ」の問題;“知っている”ことの価値の喪失―「なんでも検索!」の世界で失ったもの)
第3部 「哲学的思考」を使ってみよう2 3・11以後の世界とテクノロジー―私達の絶望と新しい生き方(リスボンとフクシマ震災後、世界はどう変わったか?;リヴァイアサンとしてのテクノロジー―そば屋に特殊部隊の格好で行くか?「リスク社会」と「想定外」の問題;ニュートン的世界観からカオス的世界観へ―「天気予報」が当たらない当然の理由)

著者等紹介

黒崎政男[クロサキマサオ]
哲学者。東京女子大学教授。1954年仙台市生まれ。東京大学大学院博士課程(哲学)満期修了。専門はカント哲学。人工知能、電子メディア、カオス、生命倫理など現代的諸問題を哲学の角度から解明している。NHK Eテレ「サイエンスZERO」(2003‐2012年)やNHKテレビBS2「熱中時間~“忙中”趣味あり~」(2004年‐2010年)にレギュラー出演するなど、TV、新聞、雑誌など幅広いメディアで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

黒頭巾ちゃん

11
▼対象ががそうだからそう見えるのではない。白いから白く見えるのではなく、白いと思うものをみている。主体が見え方を決めている▼人間が全てをコントロールしているように見えてもコントロールから外れてしまっている。テクノロジーや原発▼人間は全てをコントロールできないことを受け入れるべき。人間がカオスな世界を作り出してしまった。2019/03/13

Kentaro

3
1755年11月1日、推定M8.5~9.0の大地震がポルトガル南西部を襲い、大津波と火災が発生し、リスボンの街はそこに住む人もろとも跡形なく消えてしまった。リスボン大地震を契機に、ヨーロッパ思想は大きな変換をとげた。非常に大雑把な言い方になるが、神が最善に創ったはずの世界がこんなに悲惨に満ちているとすると、最善に創られた世界も神も素朴には信じられなくなる。そうすると、頼るのは人間しかいなくなる。ここから人間中心主義が始まった。近代哲学の祖、カントの言葉を使えば、人間が世界のうちで主人になるという世界観だ。2018/10/12

うえ

3
「考えうるあらゆるリスクに備えあれば憂いなしを適用すると…日本中の海岸線を50m高の防波堤で覆ってしまおうとか、一万年に一度の隕石に備えて、各家庭にジュラルミンの防護壁を建てよう、テロリストによる原発破壊に備えて全原発にそれぞれ千人の警備員を配置しようとか、地球温暖化で50年後に海面が50cm上昇するのに備えてすべての陸地を50cm高くしよう、ということに」「一つの備えを実行するだけでも、国家予算の大半を使ってしまい、そもそも国家の存立自体があやしくなるものばかりです」2015/03/09

☆ツイテル☆

2
フライヤー2021/09/05

080U3

2
「哲学」って、フィットしないと何も理解できないんだけど、うまくフィットするとスルスルと言葉が入ってくる。時間をおいて読むとまた違った理解があるのだろうと思う。1755年にリスボン大地震というのがあったのを始めて知った。1755年リスボン、2011年フクシマ、で変わった時代の話は抜群におもしろい2013/02/12

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