内容説明
近年、めざましい発展を遂げるエレクトロニクス分野では、真空中で作られる薄膜を利用した製品が数多く使われています。それはこれらのデバイスの超小型化、高機能化・高信頼性、省資源化、低コスト化に対して、薄膜が大きく貢献しているからです。そしてこうした電子・電気・通信分野だけでなく、材料分析や医薬品・食品、エネルギー・環境など、多くの最先端技術において真空は、その発展を支えています。本書は、こうした真空をつくり出して利用する方法・技術をなるべくやさしく紹介しています。
目次
1章 真空とはどのような状態をいうのだろうか(「真空」とは空間に何もない状態ではない;真空を作るには、空間から気体分子を吸い出す ほか)
2章 真空を利用した生活用品一身のまわりにある真空技術(水分を凍らせて低圧で昇華させる凍結真空乾燥;真空内で沸点の違いを利用する真空蒸留 ほか)
3章 真空のつくり方・計り方(つくる装置/計る装置)(真空をつくる基本的な装置 排気セット;実際の排気セットは主ポンプ・補助ポンプ+各装置 ほか)
4章 真空を利用した薄膜加工技術(真空を利用した薄膜堆積法にはいろいろな方法がある;PVDの代表的手法スパッタ成膜法 ほか)
5章 真空産業の将来(真空技術の新しい活用(1)ナノパーティクル
真空技術の新しい活用(2)カーボンナノチューブ ほか)