内容説明
いま、人間についてあらためて考えたいアナタのためのテキスト。文化人類学で考える人間社会の森羅万象。通読するもよし、拾い読みするもよし。自分を見つめる拠り所として、教養としてよりよく生きるためのツールとして、豊富な内容をコンパクトにおさめた手軽に読める本です。
目次
第1章 文化人類学はどのような学問か
第2章 人類学の誕生と古典進化説
第3章 サルからヒトへの進化
第4章 インセスト・タブーの起源
第5章 家族と結婚と仲間たち
第6章 人はなぜ戦争をするのか
第7章 秩序のしくみ
第8章 原始共産主義は本当か
第9章 知識と文化
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょえ
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文化人類学入門の本としておすすめです。奈良時代の日本の王族の近親婚の異常さ、愛他行動としての特攻隊など、身近な事例をとおして、また、人肉食が珍しい文化ではないことや、核家族を禁止したオネイダコミューンの例など、日本とはかけ離れた事例を見ていくことをとおして、他者の文化を学ぶことの楽しさ・奥深さを手軽に感じられる隠れた良書です。2012/09/19
Utsugi Yuan
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文化人類学とは人間の性質を生物学と文化の両面から考察するジャンルで、手段として未開社会を研究する。入門者向けに面白いトピックを短くまとめており読みやすかった。未開社会には理解しがたい風変りな慣習をもつ部族が存在する。中でも、自分は相手よりも豪快で気前がよいと自ら主張し、証明のため家財をどんどん燃やしてしまう「誇大妄想」部族の話は面白かった。所変われば価値観もまるっきり変わるものだ。原始共産社会についての考察も興味深かった。格差なき小規模相互扶助集団の中にも、自助の原理に基づく厳しさ、葛藤があるのだ。2019/10/14