出版社内容情報
出口戦略はどうあるべきか? かつて無くバランスシートが膨張した日銀の財務分析も交えて、出口シナリオを具体的に検討する。
内容説明
最悪の選択は現状維持。日銀の財務、国の財政、金融機関の収益―衝撃を最小限に抑える選択を、8つのシナリオと独自の試算で解明する。
目次
1 挑戦―黒田日銀の5年間は何だったのか
2 宿命―日銀の「3つの不都合な真実」
3 提言―日銀への「3つの提言」
4 出口―永遠に続くゼロのコスト・ベネフィット分析
5 日銀―永遠に続くゼロを避けるための出口スキーム
6 財政―出口で維持可能なのか
7 銀行―出口に向けて金融機関はどう対応するか
8 審判―「神の見えざる手」のコーディネーション
著者等紹介
高田創[タカタハジメ]
みずほ総合研究所株式会社専務執行役員・チーフエコノミスト。1982年東京大学経済学部卒。1986年オックスフォード大学開発経済学修士課程修了。1982年日本興業銀行に入行し、2000~11年みずほ証券執行役員・チーフストラテジストなどを務める。11年7月より現職に着任。テレビ東京ワールドビジネステサライトレギュラーコメンテーター、政府税制調査会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
76
金融緩和の出口に向け精緻な議論がなされている。いくつもシュミレーションを作って利上げに伴う財政・日銀・金融機関に与える影響を検討する。すべて薄氷を踏むが如くの議論。それだけにもりかけ問題あたりで「アベクロノミクス」がすべってぼっちゃんと沈んだら、円高不況と金利上昇で日本経済は凍死するんだろうなと思わず空目になってしまった。あと金融機関は何をやっても利上げしよう(国債価格が下落してBSが痛む)がしまい(融資による利ザヤが稼げない)が、すでに死んでいる状態なので若者が就職するところではないと改めて実感。2018/05/01
okadaisuk8
2
黒田東彦総裁のもと行われる異次元緩和を手仕舞いするときについて、8つのシナリオを用意し日銀、財政、金融機関への影響をそれぞれ探る。具体的で面白い。単にもう出口ない!というより知的な態度だと思う。ただ、緩和が効果を発揮して出口を探る状態となり、そこから10年スパンで正常化を図るといっても、その間にまた不景気とか起きたらどうすればいいのか…そもそも本書は黒田さんが一期勤め上げた次の5年から試算を始めているが、実際には黒田さん続投して緩和も10年目だし…ますます正常化への道は狭まっている気がする…2022/07/31
shun
0
★★★☆☆+2021/04/26
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- 和書
- かくて老兵は消えてゆく