出版社内容情報
需要のないマンションが乱立、都合の悪い情報は隠蔽……。なぜ中国経済の長期低迷が必至なのか、現地取材を重ねた記者が徹底ルポ。「中国ショック」は歪な経済システムの行き詰まりを示す、表層的な現象にすぎない--。
統制過剰、隠蔽、縁故、拡張主義、国際規律無視……中国経済を行き詰まらせるのは何か。
2015年の株式市場の暴落をはじめ、中国経済はその変調を隠しきれない。国内には未だ大きな開発余地があるものの、共産党による経済運営はさまざまなレベルで軋みが生じ、現状の体制システムのままでは早晩、低成長の常態化に追い込まれる。
「国有企業は需要減でも人員調整できず、『目標』達成のためだけに無意味な生産が続く」「不祥事、事故はもとより、経済の変調情報すら隠蔽される」「党の『計画』が優先され、誰も住みたくない土地に高層住宅が建ちまくる」……。
さらに無理な拡張主義、横暴な国際ルールの無視により、周辺国・先進国との経済協力にも障害が生じる。国際社会で孤立する中国は、成長を阻害する。
中国総局で経済分野を追った日経記者が、中国経済を長期的に低迷させる社会的な矛盾、問題について現場レポートする衝撃のルポ。
第1章 党員9000万人の岩盤
第2章 「市場を管理せよ」の大号令
第3章 土地はカネなり
第4章 強国への渇望「中国夢」
第5章 中国崩壊論の虚実
大越 匡洋[オオコシマサヒロ]
日本経済新聞社国際アジア部次長
1972年生まれ。95年早稲田大学政治経済学部卒、日本経済新聞社入社。98年3月から編集局経済部で日銀、財務省、厚生労働省などを担当。2005年政治部、07年から経済部で日銀、財務省、経済産業省などを担当。12年4月から中国総局(北京)で主に中国経済を担当し、重慶支局長を兼務。16年4月より現職。
内容説明
日経記者による衝撃の現場報告!緩やかに、だが確実に体制の矛盾が国を蝕む。「鶴の一声」で急変する方針、誰も止められない過剰生産、隠蔽体質…。硬直化し、不公正と非効率が広がる中国経済の現場に日経記者が迫る。
目次
第1章 党員9000万人の岩盤(党が一切を指導する―脆さを抱える「習氏1強」;官製メディア幹部が殴られた夜―誰もが抵抗勢力に ほか)
第2章 「市場を管理せよ」の大号令(重い指導者のメンツ―勝ち組・人民銀行の苦悩;市場との対話より党内の風向き―元切り下げの二枚舌 ほか)
第3章 土地はカネなり(古びた打ち出の小槌―疲弊する地方政府の錬金術;「鬼城」の実像―人影のない街で「追突注意」 ほか)
第4章 強国への渇望「中国夢」(AIIBの挑戦―最初の失点は米国だった;きしむ米中関係―中国人学者が予言した「衝突は必然」 ほか)
第5章 中国崩壊論の虚実(ソロス氏への過剰反応―消えた統計局長が残した言葉;鉄余り、日本4つ分―五分五分の「中所得国のわな」 ほか)
著者等紹介
大越匡洋[オオコシマサヒロ]
1972年生まれ。95年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。経済部、政治部で財務省、厚生労働省、経済産業省、日銀、自民党などを担当。中国の清華大学への語学留学を経て、2012年4月から中国総局(北京)に駐在。重慶支局長を兼務しつつ、中国のマクロ経済を取材した。16年4月から東京本社編集局国際アジア部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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