経済と人間の旅

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経済と人間の旅

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  • サイズ B6判/ページ数 292p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532356255
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0033

内容説明

戦後日本を代表する知識人の格闘の軌跡。

目次

第1部 私の履歴書(経済学者―人間回復、考える時に;米子生まれ―教育・医療を尊ぶ風土;一家上京―父が商売失敗、苦境に;一中の自由―高度な数学、熱中する;勤労動員―作業抜け出し川遊び ほか)
第2部 人間と経済学(混迷する近代経済学の課題;拡大する新たな不均衡―短期的危機回避も限界;現実から遊離した新古典派―偏向した命題を導く;ヴェブレンとケインズ経済学;戦後経済学の発展 ほか)

著者等紹介

宇沢弘文[ウザワヒロフミ]
1928年生まれ。東京大学理学部数学科卒業、同大学院に進み、特別研究生。スタンフォード大学経済学部助教授。カリフォルニア大学助教授を経て、シカゴ大学教授。69年東京大学経済学部教授。その後、新潟大学教授、中央大学教授、同志社大学社会的共通資本研究センター長などを歴任。2014年死去。1997年文化勲章受章。世界計量経済学会会長を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

25
速水融先生は近世日本経済史の第一人者で、おじさんには三木清、東畑精一がいた(22頁)。旧制高校で『国富論』、『自由論』、『経済学および課税の原理』、『人口論』、『資本論』、『経済学原理』、『有閑階級の理論』が必読だった(45頁)。シカゴ大学にはツヴィ・グリリカスという計量経済学の泰斗がおり、T・W・シュルツの下で農業経済学を学び、博士号を取った。宇沢先生はアロー教授の下にいることに窮屈を感じていた(62頁)。2015/01/15

Tomoyuki Kumaoka

11
日経新聞に掲載された、宇沢弘文氏の「私の履歴書」と「論考」をまとめた本。 公害や自然破壊を憂い、問題解決に取り組んだ経済学者。 社会的共通資本は、当初教育や医療などのいわゆる公共のものを指していたようだが、後半では、ヴェブレンが唱えた制度主義を具現化するものである。制度主義とは、「一つの国が置かれている歴史的、社会的、文化的、自然的な諸条件を十分考慮して、すべての国民が人間的尊厳を持ち、市民的自由を守ることができる制度を作ること」を意味する。経済学者はこのような制度の実現を目指すことが求められている。2017/11/18

kiho

11
自伝の部分で宇沢さんの人間力を知り、経済をどうとらえるのかという難しい後半部分も興味深く読めた⭐2017/02/02

やまやま

8
日経の「私の履歴書」は単行書になるものが多いと思うが、経済学者の回想はいずれも興味深く、また、華麗である。宇沢先生の親御さんが経済的な苦境の最中に、府立一中に入学を実現させたことが比類無き経済学者を生み出せた要因とするならば、やはり少々の経済的豊かさがどうしても必要か。立身出世観を感じないのは、苦境であってもいつも理解者が側にいたからか。昭和天皇、ローマ法王、李登輝さんとの関わりで、先方のお言葉をよく消化されて糧としてきたことも伺えた。定年後医者になろうと考えたが医者のお嬢さんに諭されたことも逸話。2019/05/21

Yoshihiro Yamamoto

6
B+ 初読。前半は自伝、後半は1971年から1998年にかけて日経新聞に掲載された「経済教室」の記事で構成されている。全体を貫くのは、社会制度、自然環境、社会基盤からなる「社会的共通資本」と「経済学の中に人間の心(公正・正義・平等)を持ち込む」という考えだ。ポストケインズの「マネタリズム」「合理的期待形成仮説」「供給サイドの経済学」をこき下ろす論拠はわかりやすい。一方で社会主義に対しては超批判的な点が新鮮な驚きだった。戦後の経済学の潮流がよく分かるとともに、人間にとって何が大切かを考えさせてくれる良書だ。2015/01/25

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