幸福の経済学―人々を豊かにするものは何か

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532355524
  • NDC分類 331
  • Cコード C3033

内容説明

途上国の貧しい農民の多くが、「自分は幸せだ」と答える理由は?GDPや所得では把握できない人々の“幸福感”をどのようにつかめばよいのか。世界的な調査、哲学的な議論を踏まえ、わかりやすく解説。

目次

第1章 幸福―新たな経済学(用語の使い方について;幸福の経済学のアプローチ ほか)
第2章 幸福とは何か―行為者性と厚生の理論(アリストテレス対ベンサム;経験された厚生と期待される厚生 ほか)
第3章 世界各国の幸福―何がわかっているか(中南米、ロシアとOECD諸国との比較;移行経済における幸福―中央アジア、キューバ、東ヨーロッパの場合 ほか)
第4章 適応理論とその他のパズル(不幸な成長、不満な成功者、より不幸な危機;幸せな農民と不満な成功者 ほか)
第5章 GNHかGNPか?(幸福の指標が教えてくれるもの―私たちが学んできたもの;「幸せな農民と不満な成功者」再び ほか)

著者等紹介

グラハム,キャロル[グラハム,キャロル][Graham,Carol]
ブルッキングス研究所グローバル経済・開発担当シニアフェロー兼チャルーズ・ロビンソン外交政策チェア。メリーランド大学カレッジパーク校公共政策学部教授。1962年生まれ。世界銀行チーフエコノミスト室勤務、IMF副専務理事特別顧問、米州開発銀行副総裁特別顧問などを経て現職。プリンストン大学でA.B.、ジョンズ・ホプキンス大学でM.A.、オクスフォード大学でPh.D.取得

多田洋介[タダヨウスケ]
内閣府経済社会総合研究所国民経済計算部企画調査課課長補佐。1973年生まれ。1996年東京大学経済学部卒。同年経済企画庁(現内閣府)入庁。経済協力開発機構日本政府代表部などを経て現職。ハーバード大学大学院修士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

28
幸福には、快楽を求めるベンサム的なものと、人生の目的や意義を重視するアリストテレス的なものとがある。著者は後者が大切と訴える。アフガニスタンの国民の幸福度は高く、タリバンの支配する地域はさらに高いとか。この結果を見ると、バイアスがかかりすぎて、そもそも幸福度を測ること自体、無意味にも思えてしまう。興味深いのが、経済成長している国民の方が低い国民より幸福度が低いという不幸な成長のパラドックス。高い成長は不確実性も高まり、格差が拡大するからだそうだ。GDP以外の基準を人類は早く見つけるべきと実感します。2018/08/21

スターライト

5
引き続き読んでいる「幸福度」に関する本の一冊。訳者の解説にあるように、本書では幸福の定義に踏み込んでの考察もあるので、主観的な幸福度に重点をおいて書かれている。主観的な要素を排除し、客観的なデータにこだわった寺島実郎の幸福度ランキング本とは正反対の位置にある本とも言える。僕自身は本書のような立場に好感が持て、とりわけ功利主義を唱えたベンサム的な幸福観と、「最高善」としての人間の幸福と善い人生を送ることのできる能力の重要性を説いたアリストテレスの考え方には興味を覚えた。中南米・アフガンなどのデータもある良書2014/12/21

GASHOW

4
幸せには、ある程度の経済が必要だが。幸せな農夫と不幸せな弁護士のように経済だけでは、逆転現象が起こる。犯罪被害も治安の悪い国では、不幸の原因にはならないという。雨に降られたようなものなのだろう。ステグマークという言葉があった。烙印効果ともいい、生活保護受給者だから不幸みたいな周囲の認識があると不幸になるようだ。だから、格差社会はステグマークがつきやすく不幸を感じやすいのかもしれない。2018/09/26

メルセ・ひすい

4
「幸せ」とは何か。人々の幸福度はどのようにして測ることができるのか。所得が多いとどれだけ幸せになれるのか。世界各国での実証研究を踏まえ、真の豊かさを捉える新しい経済学。☆アマルティア・セン…不平の多いお金持ちは、満足した農民よりも幸福でないかもしれないが、農民よりは高い生活水準を享受している ☆論語…われ十五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順う。七十にして心の欲するところに従って矩をこえず。★米独立宣言…全ての人間は生存、自由そして幸福の追求の権利がある2013/05/24

Sanchai

2
幸福度に関する先行研究のストックテイキングには適した本だが、読みにくかった。今後も座右に置いて適宜検索に使ったりしていくのだろう。ニューヨーク市のギャング団の子どもたちを寄宿制学校に入れる奨学金制度の研究には興味が湧いた。目的も文脈も違うけれども、同じように子どもを親元から引き離して、良い教育を提供しているけれども、意外と批判が多い政策と言うのを目の当たりにしているから。2017/12/17

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