内容説明
政治主導、マニフェスト、副大臣制など話題の政治キーワードのもとはすべて民主主義の先達・英国にある。その「本家」の制度の、ディテールとエッセンスを、元駐英大使館員が平易に解説。
目次
第1章 頻繁に起こる政権交代―下野するリスクがあるから政治は活性化する
第2章 地盤・カバン・看板不要―誰にでも門戸が開かれている政治家への道
第3章 官僚の出る幕なし―政治主導を可能にする統治機構
第4章 議会前日は閣僚が徹夜で猛勉強―活発に論戦が展開される議会
第5章 やると決めたら誰にも文句は言わせない―スピード感を持った改革の推進
第6章 地域主権の推進―自分たちの地域のことは自分たちの手で
第7章 子供が増える英国社会―ワークライフバランスの重視
第8章 英国政治システム・6つの泣き所
第9章 英国政治システムの基礎知識
著者等紹介
河合宏一[カワイコウイチ]
1971年京都府生まれ。94年京都大学法学部卒業、自治省(現・総務省)入省。大臣官房企画室、下関市総合政策部長、総務省自治行政局国際室国際協定専門官、在英国日本国大使館一等書記官(2006・4~09・5)などを経て現在、内閣府政策統括官付参事官補佐(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hachi_bee
3
面白かった。英国を引き合いに出して日本を批判しているようにも感じられた。著者が政界に打って出る日を楽しみにしている。 p.22の世襲の件。どうして父親限定なのか。何故「親」と書かなかったのか。著者がジェンダーフリーな思考ができていないように感じる。 p.53。「Shadow Cabinet」を「影の内閣」と訳すのが定着してしまっているのと同様なのだろうか。財務大臣と財務筆頭大臣だったらどっちが偉そう?財務大臣なんですって。筆頭副大臣じゃないのか? 9章は付録。そう明示してくれていれば先に読んだのに!2017/11/15
バジンガ
1
英国の中央政府、地方政府の政治制度がコンパクトにまとまっています。比較的最近の状況が紹介されています。英国の政治制度を概観するには最適です。また、地方自治体がいかに中央集権的に統制されているかよくわかります。2012/04/04
psi_x
1
イギリスの政治システムの基本がわからないと読んでいて理解しにくい。また地方自治体の構造などもそう。全体的にわかりにくいなぁと思いながら読むハメになってしまった。イギリス人のフェアな精神、選挙のやり方、下院議員の活動、ワークライフバランスのことなどはあーなるほどなぁと感心すること多し。日本もこんな風になりたいもので。あとやると決めたらやる、大胆に物事を進めるこれがとにかく羨ましい。2012/02/10
メルセ・ひすい
1
13-101 赤39 英国病から日本病へ 子供が増える英国社会・・・★英国の公共サービスに「お客様第一」といったサービス精神はない。電話はたらい回し、配達・アポイントでのアバウトな時間設定(AMかPMかの指定ぐらいで、半日体をあけておかねばならない)、担当者間の発言矛盾、公共機関の遅れなど、きりがない。まじめもいるが、全体的にサービスのしつが極めて低い。それでいて、休暇は皆きちんと取る、有給休暇の完全消化は当たり前で、夏休みシーズンともなると、仕事相手が一カ月不在となることも珍しくない。※ 2010/06/14
koji
1
日本の現在の政治制度のお手本の英国ですが、5月の下院選挙では、36年ぶりのハング・パーラメントになりました。時宜を得た本ですが、知識の整理以上に、「イギリスの改革のスピードの早さ、関係者の動機づけの巧みさ」がコンセンサスづくりをぶっ飛ばして制度を改革できることが分かりとても参考になりました。2010/05/29