出版社内容情報
19世紀、ヨーロッパで近代西洋文明が開化したこの時代に、人類は初めて高度経済成長を経験する。なぜ突如として社会に「豊かさ」が誕生したのか。途上国と先進国を分けた要因は何か。200年の経済成長史を読み解く。
内容説明
ホッブズは、かの『リヴァイアサン』の中で、自然状態における生のありようは「孤独で、貧しく、意地悪く、暴力的で、短い」と述べた。それは19世紀に至るまで、人類の大多数にとって生活実態を忠実に表現した言葉であった。しかし、それから2世紀あまりを経た現在、ホッブズが指摘したような人類のありようは、少なくとも物質的には西洋世界から消えて無くなった。なぜ、我々は豊かな生活を享受できるようになったのだろうか。そしてなぜ、豊かさの誕生は1800年代以降に限られているのだろうか。本書は、近現代の持続的な経済成長の陰に潜む条件を膨大な資料と法律、歴史、哲学、天体力学、神学、政策科学、社会学、経済学の観点から探っていく。また21世紀の新興国が発展するために、どのような要素が必要とされるのかを明かしていく。19世紀初頭に始まる西洋諸国の勃興から、戦前・戦後における日本の驚異的な成長、そしてイスラム諸国の停滞の原因に至るまで、壮大なスケールで描き出す文明史。
目次
第1部 近代経済成長の源泉(豊かさについての仮説;私有財産制;科学的合理主義;資本;動力、スピード、光;成長の理論を総括する)
第2部 豊かな国、貧しい国(勝ち組の経済―オランダとイギリス;キャッチアップした国々;取り残された国々)
第3部 豊かさのもたらすもの(神、文化、金銭欲、そして快楽主義の踏み車;成長か平等か―大いなるトレードオフ;勝者の呪い―富神マモンと戦争神マルス;成長の終わり?;いつ、どこで、そしてどこへいくのか)
著者等紹介
バーンスタイン,ウィリアム[バーンスタイン,ウィリアム][Bernstein,William J.]
投資家、投資アドバイザー。米国の個人投資家が最も信頼する投資情報ウェブサイトefficientfrontier.comを運営している。幅広い学識に基づいた投資・経済観には定評があり、モーニングスターのコラムニスト兼アナリストとしても活躍、ウォールストリート・ジャーナル紙などにもたびたび登場している
徳川家広[トクガワイエヒロ]
1965年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、ミシガン大学で経済学修士号取得。国連食糧農業機関(FAO)のローマ本部、ベトナム(ハノイ)支部で勤務。その後、コロンビア大学で政治学修士号取得。2001年に帰国し、翻訳家として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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