「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史

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  • サイズ A5判/ページ数 475p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784532352202
  • NDC分類 332
  • Cコード C0033

出版社内容情報

19世紀、ヨーロッパで近代西洋文明が開化したこの時代に、人類は初めて高度経済成長を経験する。なぜ突如として社会に「豊かさ」が誕生したのか。途上国と先進国を分けた要因は何か。200年の経済成長史を読み解く。

内容説明

ホッブズは、かの『リヴァイアサン』の中で、自然状態における生のありようは「孤独で、貧しく、意地悪く、暴力的で、短い」と述べた。それは19世紀に至るまで、人類の大多数にとって生活実態を忠実に表現した言葉であった。しかし、それから2世紀あまりを経た現在、ホッブズが指摘したような人類のありようは、少なくとも物質的には西洋世界から消えて無くなった。なぜ、我々は豊かな生活を享受できるようになったのだろうか。そしてなぜ、豊かさの誕生は1800年代以降に限られているのだろうか。本書は、近現代の持続的な経済成長の陰に潜む条件を膨大な資料と法律、歴史、哲学、天体力学、神学、政策科学、社会学、経済学の観点から探っていく。また21世紀の新興国が発展するために、どのような要素が必要とされるのかを明かしていく。19世紀初頭に始まる西洋諸国の勃興から、戦前・戦後における日本の驚異的な成長、そしてイスラム諸国の停滞の原因に至るまで、壮大なスケールで描き出す文明史。

目次

第1部 近代経済成長の源泉(豊かさについての仮説;私有財産制;科学的合理主義;資本;動力、スピード、光;成長の理論を総括する)
第2部 豊かな国、貧しい国(勝ち組の経済―オランダとイギリス;キャッチアップした国々;取り残された国々)
第3部 豊かさのもたらすもの(神、文化、金銭欲、そして快楽主義の踏み車;成長か平等か―大いなるトレードオフ;勝者の呪い―富神マモンと戦争神マルス;成長の終わり?;いつ、どこで、そしてどこへいくのか)

著者等紹介

バーンスタイン,ウィリアム[バーンスタイン,ウィリアム][Bernstein,William J.]
投資家、投資アドバイザー。米国の個人投資家が最も信頼する投資情報ウェブサイトefficientfrontier.comを運営している。幅広い学識に基づいた投資・経済観には定評があり、モーニングスターのコラムニスト兼アナリストとしても活躍、ウォールストリート・ジャーナル紙などにもたびたび登場している

徳川家広[トクガワイエヒロ]
1965年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、ミシガン大学で経済学修士号取得。国連食糧農業機関(FAO)のローマ本部、ベトナム(ハノイ)支部で勤務。その後、コロンビア大学で政治学修士号取得。2001年に帰国し、翻訳家として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

T K

24
私有財産制がなければ権利を得る動機がでず、法や規則による迫害や弾圧がなければこそ活発な科学的合理主義が起き、政府が安定しつつ民間にも資本市場が流れなければ、特許や技術を満たしたとしても輸送・通信技術は広域に発展しない。これら4つが全て揃う時爆発的に富を得ることができる。2016/01/28

ゼロ投資大学

3
人類史を紐解き、「豊かさ」がいかにして誕生したかを追っていく。本書では、「私有財産制、科学的合理主義、効率的投資が可能な資本市場、輸送と通信」の4つの要素が豊かさを生み出していると定義している。2022/03/17

デューク

3
「世界がいつ、どこで、どのように繁栄を始めたかを知ることによって、私たちは世界がどこへ向かっているのかを、より正しく予測することができるかもしれない」。そう語る筆者による、英雄の出てこない世界史。 諸行無常とはよく言ったもの。これまで数々の国家が栄華を極め、そして見る影もなく没落していった。そのような繁栄や豊かさにはどのような法則があるのだろうか。投資家として活躍する筆者が語る、成長と発展の文明史。特に繁栄を約束する四要素は必読である。おすすめ2021/04/02

かるてぶらんしぇ

2
近代経済成長の四要素のうち『私有財産権』の有無が資本主義社会と共産主義社会を分けた。この本ではアメリカの近代における経済発展と戦争の強さについて私有財産に根拠を求めている。しかし近年は中国という共産主義一党独裁が資本主義以上に資本を集めだした(正確には中国のメガ企業)。現代においては必ずしも自由主義社会が最良ではない。本書にも発展途上国から先進国への転換時に発生するブーストは1度切りだと書かれていた。ポスト現代の日本の豊かさはどうすれば得られるのだろうか。少なくとも資本主義の加速ではない気がする。2022/09/13

vellvel

2
今まで読んできた分明史(『繁栄』『銃・病原菌・鉄』)の中では一番網羅度が高く、また説得力も高い。『繁栄』では「交換」する力があれば人間は常に繁栄し続けると主張するが、それは余りにもシンプル化していることがこの本でよく分かった。具体化すると4つの要素(私有財産権、科学的合理主義、資本市場、蒸気機関と電信技術)が合わさることで近代的経済成長は可能になる。2012/04/01

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