出版社内容情報
突出した力を背景に悪の枢軸論を唱えるブッシュ政権。だがアメリカ単独主義は、情報革命、グローバル化のもとでは時代錯誤に等しい。テロ事件後の世界におけるアメリカの役割に警鐘を鳴らす話題の書。
内容説明
一極支配、多極化、覇権、勢力均衡などの見方は無意味になる―。現代を代表する戦略家が傲慢な単独主義に警鐘を鳴らし、情報革命、グローバル化の下での世界戦略を提示する。「ナイ・イニシャティブ」で日米同盟再構築をリードした著者が問う、21世紀の国力と国益。
目次
第1章 アメリカという巨像(アメリカの力の源泉;ソフト・パワー ほか)
第2章 情報革命(過去の教訓;力の集中か分散か ほか)
第3章 グローバル化(グローバル化はアメリカ製なのか;グローバル化の性格 ほか)
第4章 アメリカ国内の動向(倫理観の衰退と文化の対立;移民とアメリカの価値観 ほか)
第5章 新しい時代の国益(アメリカの力の限界;総合戦略と世界的公共財 ほか)
著者等紹介
ナイ,ジョセフ・S.[ナイ,ジョセフS.][Nye,Jr.,Joseph S.]
ハーバード大学ケネディスクール(行政大学院)院長。1958年プリンストン大学卒業、ローズ奨学生としてオックスフォード大学で研究、ハーバード大学政治学Ph.D.取得。1964年からハーバード大学で教鞭をとる。1993~94年に米国家情報会議議長、1994~95年にクリントン政権で国防総省次官補(国際安全保障政策担当)を歴任。クリントン政権では日米安全保障同盟の再構築プロセスをリードした。1995年からハーバード大学に復帰。アスペン戦略研究所シニアフェロー、アスペン戦略グループ・ディレクター、三極委員会エグゼクティブ・コミッティーのメンバーなどを兼任。アメリカを代表する戦略家として知られる。1990年出版のBound To Lead(邦訳『不滅の大国アメリカ』読売新聞社、1990年)では、国力の質的な変化に着目して「ソフト・パワー」という新しい考え方を提示、当時台頭していたP・ケネディらのアメリカ衰退論を退けるとともに、アメリカが依然として強大なパワーを保持していることを主張した
山岡洋一[ヤマオカヨウイチ]
翻訳家。1949年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。