持たざる経営の虚実―日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは?

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持たざる経営の虚実―日本企業の存亡を分ける正しい外部化・内部化とは?

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784532322441
  • NDC分類 335.21
  • Cコード C0034

出版社内容情報

持たざる経営は、本当に正しいのか?組織にとって真の中核とは?M&A、事業再生コンサルの最前線から放たれる常識破りの提案!1990年代以降、日本の多くの企業は、「選択と集中」の掛け声のもと、「持たざる経営」を目し、資産を切り離した。
その流れは現在のM&Aブームにもつらなるが、お手本となったGEは低迷を続ける。
他方、超低金利という背景もあり、外部にあった機能を内部化する「プリンシパル化」に向かう動きもあり、「持たざる経営」の流れは変化している。高島屋は数百億円を調達して借りていた新宿店資産を買収し自社店舗へ。
民泊マッチング大手の百戦錬磨は、自ら民泊施設の開発・保有を始めた。

そもそも、事業・機能の外部化と内部化が同時に発生するM&Aは、事業ポートフォリオの見直しや同業との経営統合によるシェア拡大という狭義の視点から見るべきではない。各企業が、事業・機能をどのようなインセンティブに沿って、外部化・内部化しているのかという、資本コスト/取引コストの関係を個別に解き明かすことが重要となる。

そこで本書では、業務や人材の「選択と集中」にまつわる様々な課題、矛盾を、事業再生コンサルに携わる著者がインセンティブ、資本/取引コストの関係という経済学的視点から、わかりやすく解説する。
その上で、これからの日本企業の生き残り戦略として横並びの「持たざる経営」から脱却し、コングロマリット型の経営をめざして「プリンシパル化」することを提案する。あらゆるビジネスパーソンに贈る知的な刺激に満ちた意欲作。

第1章 「選択と集中」の後始末

第2章 コングロマリットの再評価と取引コスト

第3章 M&Aの成否は取引コストで決まる

第4章 なぜ、経営のプリンシパル化が必要なのか

松岡 真宏[マツオカマサヒロ]
著・文・その他

内容説明

「選択と集中」は、誤訳だった!?M&A、事業再生コンサルティングの最前線から放たれる、日本企業を強くする常識破りのサバイバル戦略=新・コングロマリット経営!

目次

第1章 「選択と集中」の後始末(「選択と集中」という大いなる誤訳;「選択と集中」の虚実―マクロ的問題点 ほか)
第2章 コングロマリットの再評価と取引コスト(東南アジアの盟主となりうる日本の地方企業;コングロマリット・ディスカウント問題の本質 ほか)
第3章 M&Aの成否は取引コストで決まる(非大企業で問題化する取引コスト;プライシング、買収後プロセスが変わる ほか)
第4章 なぜ、経営のプリンシパル化が必要なのか(日本の開業率の低さは本当に問題なのか?;既に始まっている経営のプリンシパル化)

著者等紹介

松岡真宏[マツオカマサヒロ]
フロンティア・マネジメント株式会社代表取締役。東京大学経済学部卒業。外資系証券などで10年以上にわたり流通業界の証券アナリストとして活動。2003年に産業再生機構に入社し、カネボウとダイエーの再生計画を担当し、両社の取締役に就任。2007年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hiroo Shimoda

6
「選択と集中」の誤りを説く。主張を裏付けるリサーチや分析に欠ける印象だが、「本業重視/シナジーという大義名分が新規事業のアイデアを潰す」という話は肌感覚としては分かるところがある。2019/09/21

ctr-wan529

3
経営における「選択と集中」とゆう言葉が日本で謂わばスローガン的に広まり、アニマルスピリットを失ってしまった日本の経営スタイルに警鐘を鳴らし、プリンシパル化を進めていくべきと唱える。またそのプリンシパル化、内部化を進めるためのM&Aでは、取引コストをいかに下げるのかがポイントで、買収先の見極めよりも、自社の取り引きコストを内省することが重要だと。自分には難しいテーマだったけれど、面白いと思えた。あとがきでは言葉の重要性を説いていて、チャーミングな文章での締め方に、改めて言葉の持つ力や重要性について考えた。2024/08/11

人工知能

3
選択と集中というある意味セオリー化した経営手法に疑問を呈する。日本の地方都市(や海外から見た縮小する日本そのもの)はそこにいる人たちの財布のシェアをいかに握るかが肝であり、そうすると様々なサービスを提供するコングロマリット化こそが生き残る確率を高める手だというのが本書の主張。またそれに当たり、取引先との間に生じるコミュニケーション等の取引コスト削減を志向した新たな(もしくは広義の垂直統合に当たる)M&Aを提言。シェア拡大を途中で捨てローカライズすることに活路を見出すのであれば、この選択肢はあると思った。2020/01/29

だまし売りNo

3
「選択と集中」の通説的理解を批判し、社外の組織や資源を社内に取り込むという持たざる経営とは逆のベクトルを主張する。タイトルは『持たざる経営の虚実』であるが、「実」よりも「虚」に重点を置いている。本書の結論は、「90年代以降の改革が間違っていた」と主張したい昭和の日本的経営の懐古趣味者が飛びつきそうであるが、それが良いことかは疑問である。2019/05/09

☆ツイテル☆

2
フライヤー2021/12/03

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