内容説明
「実行」と直結しているか?「単純明快」で「単刀直入」か?戦略思考を大家が伝授。
目次
手強い敵
第1部 良い戦略、悪い戦略(良い戦略は驚きである;強みを発見する;悪い戦略の四つの特徴;悪い戦略がはびこるのはなぜか;良い戦略の基本構造)
第2部 良い戦略に活かされる強みの源泉(テコ入れ効果;近い目標;鎖構造;設計;フォーカス;成長路線の罠と健全な成長;優位性;ダイナミクス;慣性とエントロピー;すべての強みをまとめる―NVIDIAの戦略)
第3部 ストラテジストの思考法(戦略と科学的仮説;戦略思考のテクニック;自らの判断を貫く)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
110
本書を読んで浮かんだのは、なんと「FF5のRTA(YouTubeで見れます)」でしたwww。チートなどと揶揄されているようですが、精密過ぎる敵分析により、数多のジョブを最小限に使い分け、敵の弱点にブーストをかけるなどして全力でぶつけていく、そのためには不要な事は一切しない、リソースは一点集中等で、あり得ないほどの低レベルで最速クリアが達成されます。まさに本書で言及されていることばかりです(驚)。2024/01/15
Miyoshi Hirotaka
52
戦略論には、機会や脅威を重視する競争戦略論と強みや弱みを重視する経営資源に基づく戦略論がある。本書は、後者の立場で、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」の「己を知る」ことを説く。空疎で、重大な問題に取り組まず、戦略と目標を取り違えているのが悪い戦略の特徴。それは、困難な選択を避け、通説を鵜呑みにし、根拠のない自信を持つことに起因する。これに陥らないためには、直感を疑い、状況を診断し、基本方針を定め、一貫した行動をとること。現実を直視し、通説を否定するデータに目を向け、歴史や他国の教訓に学べば十分可能だ。2014/05/03
アベシ
41
ゴリアテとダビデの戦いになぞらえてウォルマートとKマートの例が語られる。良い戦略と悪い戦略がそれぞれの行動とマッチしている。ウォルマートは店舗という定義を新たな視点から見直しサプライーチェーンという視点で組み直した。しかしKマートはついに自分達の成功体験、業界の常識を相対化できずに遂には破産に至る。良い戦略には基本構造がある。カーネル(核)と呼ばれ、1.診断 2.基本方針 3.行動の3つである。まったく真新しいものではない。基本的なフレームワークを真剣に考えるということだ。つまり人事を尽くして天命を待つ。2023/03/26
著者の生き様を学ぶ庵さん
40
良い戦略はシンプルであり、診断・基本方針・行動の三要素で構成される。しかし慣れてくると、時間や情報の制約を言い訳にして、第一勘に頼りがちになり、疑ったり深く検討したりしなくなるという罠に陥りがち。これに気を付ければ良い戦略が出来るらしいよ。極意は非常にシンプルだ。しかし自信がないなあ。この通りに出来るのかなあ。2017/01/13
ミライ
39
タイトル通り「良い戦略と悪い戦略」に関して解説したリチャード・P・ルメルトによる名著。ナポレオンに攻め込まれて絶体絶命のイギリスが危機を乗り越えた戦略、イタリアの店舗の模倣からスタートしてアメリカを代表する企業へ成長したスターバックスの戦略、ブランドを絞ることで復活したゼネラルモーターズの戦略などなどなど、危機を乗り越えて成長した企業や国の事例を中心に紹介、成功した戦略だけではなく失敗した戦略(なぜ失敗したのか)も解説されている(失敗の方が教訓にはなる)。ビジネスにもプライベートにも使えそうな内容。2020/01/25