内容説明
丸投げ社員、疲弊した上司と育たぬ若手、むやみな管理強化と仮面職場、進まぬ女性登用…企業に蔓延する人材の閉塞感が、いま社員と組織を蝕んでいる。また人手不足、ワーキングプア、成果主義への反発などの問題も深刻さを増している。不満や孤独感を抱え、神経をすり減らした社員の元気を取り戻し、企業の成長につなげるにはどうしたらいいのか?『日経ビジネス』記者が、企業の最前線を徹底取材した迫真のレポート。
目次
第1章 “抜け殻”正社員
第2章 「育てず伸びず」のデフレスパイラル
第3章 “仮面職場”に立ち向かえ
第4章 憂鬱なオフィス
第5章 組織蝕むリスク過敏症候群
第6章 誤解だらけの女性登用
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kitamuu
2
下請けに頼り過ぎれば、システム会社として持つべき技術や機能の低下は避けられない。仕事の質より、安いコストで外部スタッフの頭数を揃えられる人が評価される。システム会社の抜け殻化。人を育てるマネジメント機能を失った企業は即戦力の確保に躍起になる。ミドル層の人材が育っていないこと。OJTの崩壊。育てず伸びずのデフレスパイラル。2020/01/29
貧家ピー
1
30代がうつ病などで壊れ始めていると報道されて久しい。バブル崩壊後の失われた10年で、人材補充のないまま働き、新入社員の指導役まで負わされる。コスト重視で非正規雇用を増やす、正社員は入れ替わりが激しい非正規雇用者の指導役に追われる、非正規雇用者に技能の蓄積がない、とマイナスが重なるばかり。日本企業の強い面が消えている。2008/04/23
KAKAPO
0
22人の取材班による共著なのか、一貫性が弱く、経営者から車内販売の方までレベル感が違う取材の羅列になっている。どのような読者をターゲットにしているのか最後までわからなかった。また、取材も論拠に乏しく、信憑性、応用性の点でも活用が難しい。要点は、日本企業は、日本人・男性・正社員を前提に制度を構築してきたため、労働人口の減少・雇用形態の多様化・グローバル化にそぐわない。人材の獲得も国を超えた奪い合いが激化しており、グローバル市場で生き残るために、人材を確保するために規定を緩和する必要がある。というもの。2013/03/17
decuno
0
まだリマーんショック以前のちょっと景気が良かった頃に書かれた本。このころは実感がなかったとしても、それなりに景気は良かったらしいのでこういう本が出たんだと思うが、この世界大不況に入っちゃうともう、人材空洞化とかそんな話じゃなくなってきてる感があるなあ 今の大不況じゃ抜け殻高年齢化する企業ばかりになって日本が滅びる日が近いと感じさせる内容だったね2010/06/02