出版社内容情報
中国統一を進める秦王・政(始皇帝)に、燕の太子・丹は暗殺を計画。暗殺に失敗した荊軻は、死の間際、覇権をめぐる絡繰りを知る。
内容説明
荊軻は、歴史の非情な定めに身を任せ、秦の始皇帝暗殺を決意した。始皇帝に短剣を突きつけることに成功した荊軻は、その先に、自分の思惑を遙かに超えた墨家の怨念があったことを知る。紀元前の中国を舞台にした本格歴史巨編。
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年、倉敷市生まれ。大阪で育つ。同志社大学文学部卒業後、印刷会社に勤務しながらイラストレーターとして活躍。96年、『霍去病』で文壇デビュー。『煬帝』で第1回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『サテライト三国志』で第2回野村胡堂文学賞を受賞。父塚本邦雄が主宰していた短歌結社『玲瓏』の発行人も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むーちゃん
114
久々のレビュー 司馬遼太郎以外あまり読みませんが楽しく読みました 最後の最後で人間欲や迷いが出るんですね 漫画のキングダムとリンクして顔が浮かびました(^^)d2018/12/22
タキ
1
始皇帝暗殺の刺客となり、失敗した以外は未知の荊軻を、幼少期から大胆な設定で描いた本作には、著者の作品にあった苦手感を一掃するテンポの良さと面白さがあった。他の登場人物もだが、特に嫪毐の設定は最大の驚きだった。ただ物足りなさとして、ストーリー展開の大胆さに比べ、各人への内面へのアプローチが浅いことか。このため確かに荊軻が主人公で、荊軻を中心に物語は展開しているが、読み手として荊軻にシンクロして作品に入り込むまでには至らなかった。紙面の制約と現在の嗜好からかもしれないが、荊軻の死のあっさりさが残念だった。2015/06/27