内容説明
随の重臣・李淵の次男、李世民は若くして武名を轟かし、煬帝に反乱を起こした父に従って唐建国の主導者となり、軋轢の末に兄・建成を殺害、二代皇帝の座につく―中国史上最高の名君といわれ、大唐帝国をつくりあげた太宗の波乱に富む生涯を雄大なスケールで描く。
著者等紹介
塚本青史[ツカモトセイシ]
1949年、倉敷市生まれ。大阪で育つ。同志社大学文学部卒業後、印刷会社に勤務しながらイラストレーターとして活躍。96年、『霍去病』で文壇デビュー。以後『呂后』『項羽』『光武帝』や『仲達』など古代中国を舞台にした意欲作を次次に発表している。『煬帝』で第1回歴史時代作家クラブ賞作品賞、『サテライト三国志』で第2回野村胡堂賞を受賞。父塚本邦雄が主宰していた短歌結社『玲瓏』の発行人も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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読書ニスタ
33
昔、十八史略を読んだ際、気になった、李世民。隋を倒し、兄から皇帝の地位を簒奪し、父を追いやりつつも、中国史上、一二を争うほどの名君と名高いそのギャップ。本書の力点は、権力の簒奪、自らの権力をどの子に譲るかにあった。物語として十分楽しめたが、唐がなぜ、300年続く国家たり得たのか、太宗と呼ばれ、国民は鍵を掛けずに安眠することができた治安の良さ、同じように権力を簒奪した煬帝との違いは、わからなかった。敵だった人も上手く活用した、だけではあるまい。後世に良く思われたいから、だけの評価とするのは、違うと思う。2019/08/17
future4227
13
塚本さんの作品は当たり外れが極端なので、読む前に多少の不安を覚えながら読み始めるのだけど、これは当たり。 『煬帝』と併せて読むと面白さ倍増。 上巻では李世民が皇太子になる所まで。下巻でいよいよ皇帝へ。楽しみ!2016/02/01
FUJI燦々
3
読んだことあるかもと思いながら読了して、読メで読んでいたことが確認できました。読んだかどうかモヤモヤすることって今までも結構あって、同じ本を2.3冊買ってしまう事すらあったんですが、キチンと読メに記録しておくとそのあたりが把握できる効果もあると実感。そして、感想としてはやはり私は脇役ですが李靖将軍にすごく興味があるってことを再確認できました。また下巻や他の著者の作品も再読しようと思ってます。2021/06/24
FUJI燦々
3
隋末唐初の混乱期は非常に面白い題材だと思っていました。田中氏の「風よ万里を翔けよ」小前氏の「李正民」など隠れた名作が多いです。この作品も期待感を持って読ませていただきました。まだ上巻のみ読み終わったでけですが兄弟の確執などを丁寧に描かれていたのは嬉しく思いました。ただ2巻構成ということで各種勢力との戦闘が濃密に描かれるのではと期待していた点では少々肩すかしをくらった気がしました。早急に下巻も読みたいと思います。2016/02/20
うさうさこ
2
面白いんだけど、ページがなかなか進まなくて、読むのに苦労しました。他の作者が書いている李世民も読んでみたいです。2017/10/19
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