内容説明
博多の貿易商として巨万の富を築いた島井宗室だが、朝鮮出兵を計画する豊臣秀吉に反対して蟄居を命じられる。「兵戈なき場所でしか、商いは栄えぬ」という商道のもと、宗室がたてた策略とは―。少年時代を朝鮮で奴隷として過ごし、その後「博多三傑」の豪商となった男の数奇なる生涯を描く。
著者等紹介
指方恭一郎[サシカタキョウイチロウ]
1961年福岡県生まれ。龍谷大学文学部卒業。認可保育園園長。2004年、第11回「九州さが大衆文学賞」大賞(笹沢佐保賞)受賞、過去3度の「松本清張賞」最終候補。『銭の弾もて秀吉を撃て―海商 島井宗室』で第3回「城山三郎経済小説大賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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京橋ハナコ
4
旦那がおもしろそうといって買ってきた本。本人は読まない。兵戈無用あたりから何がやりたいのかよくわからない。ただ、いたずらにつらい戦を長引かせただけにしか思えない。2015/03/26
emico
4
秀吉の名前がタイトルにあるけれど、内容は島井宗室の伝記の様な感じで、島井宗室の人生が描かれています。確かに波乱万丈な人生で興味深いし面白いのですが、タイトルの内容は終盤に少し描かれているだけなので、そこは期待外れでした。タイトルが違い、秀吉との戦いとは思わす、島井宗室に興味を持って読めばより楽しめたと思うのですが、如何せん思ってる気持ちと違った内容なので、何だかなぁ感は拭えなかったです。2014/06/08
niisun
4
なかなか面白い歴史・経済エンターテイメント小説でした♪ 『城山三郎経済小説大賞』も頷けます! “島井宗室”というと、古田織部を描いた漫画『へうげもの』のはじめの方に登場する茶器の名品“楢柴肩衝”の所有者で、信長を始めいろんな人から、その名品を付狙われる豪商として登場しますね。この小説では、史実を基にしつつ、謎に包まれる宗室の生い立ちを見事に脚色し、面白い読み物に仕上げていますねぇ♪ 現在の朝鮮半島と日本の関係性に想いを馳せながら読みました。2014/04/20
カール
3
B級映画かの様な過大なタイトル。良い。(実はあんまりバチバチ秀吉と戦っている訳でも無いのでタイトル詐欺気味なのは否めない。)武家の息子ながら朝鮮で奴隷だった過去を持つシゲ(島井宗室)がトントン拍子に出世しながら、自分を売った奴隷商人と戦う中盤のヤング編は結構好き。朝鮮や博多を舞台に仕手戦や殺陣、初恋の人との再会と見どころ多め。朝鮮出兵を早期終結する為に策を練る終盤は嫌い。島井は軍事面や外交面で若い頃よりもキレがない。むしろ、疎いのかその行動に疑問府がつく。あと武家を全体的に馬鹿に書きすぎててしらけたね。2019/01/24
とも
3
タイトルから秀吉との戦がメインだと思ってたけど大半が島井宗室の人生(少年~青年期)を綴ってます。波乱万丈の人生は臨場感たっぷりですがそこに話を割きすぎて秀吉との関係性などの背景が分かりにくかったように感じます(知識がないから余計に)秀吉に逆らうのが博多津を戦に巻き込みたくないからだと冒頭で理解したものの回想の後は朝鮮国に対する思いが前面に出ていて商人としての宗室の印象がぼやけたようにも思います。2014/12/13