内容説明
大正から昭和初期、外国製品に対抗できる電気化学工業を興して「日本の柱」になろうと、その一生を捧げた男。果たして彼に「好き日」は訪れたのか…。仕事と生きがい、個人対国家を生涯のテーマとして追い続けた著者の円熟期を象徴する傑作。
著者等紹介
城山三郎[シロヤマサブロウ]
1927年、愛知県名古屋市生まれ。東京商科大学(現一橋大学)卒。日本における経済小説のパイオニアであり、歴史小説、伝記小説にも健筆を振るう。1957年、愛知学芸大学(現愛知教育大学)で教壇に立つ傍ら執筆した『輸出』で第4回文學界新人賞を受賞。『総会屋錦城』で第40回直木賞。『落日燃ゆ』で第9回吉川英治文学賞、第28回毎日出版文化賞。『もう、きみには頼まない』などで、伝記文学の新しい領域を拓いた功績により第44回菊池寛賞。2007年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まつうら
54
われ日本の柱たらん、と事業に邁進する熱血漢の牧。ゼニ儲けならぬゼネ儲けに隙がなく、とても計算高い玉岡。経営者としては対称的とも言えるこの2人が日々激論を繰り返すシーンがとてもアツい。そこへ、詩人と名乗っているが実体は高等遊民の花野木がからみ、人生遊び暮らさなきゃ損だと水を差す。この掛け合いのテンポが絶妙で小気味よい作品。物語が後半に入り戦時統制になると、日本の柱として国家に尽くしていった牧は、何もかもを国家に奪われていってしまう。なんと虚しいことか。。。玉岡はきっとこう呟いただろう。ばかってぃ!2023/04/01
柔
34
「いいな、はじめたら男は絶対ふりかえるな」大正から昭和初期の時代、海外に負けない国を作る!何度も壁にぶつかりながらも沃度、発電所、アルミ作りと日本の柱になろうと奮闘し続けた男、牧の生涯。銭儲けに一生を捧げた玉岡、美しいものを追い続けた花野木。三者三様だが、互いを補ういいチームワークだった。花野木が息詰まった牧を花見に連れ出す場面は、日本人の誇りを感じた。「できるできないじゃなく、やらなくちゃ」時代遅れとか言われるだろうが暑苦しくも、前向きに生きる男の姿を描く城山作品が大好きだ。2020/07/09
Tadashi Tanohata
33
既読だか再読だか。タイトルがいい「男たちの好日」。三人三様の「日々是好日」を友情で縫いとめて、実に見事に表現している。特に「終章」は呼吸をするのも忘れて一気呵成に読ませる、城山三郎の代表作だ。多くの日本人に読み継いでほしい。既読でも再読でも。2018/08/01
シュラフ
18
昭和電工がモデル。昭和電工というと戦後の疑獄事件でややマイナスイメージがあったが、この小説でその成り立ちを知ってみると日本産業史に大きな役割を果たした会社であったことが分かる。もともと創業者の志は、大正から昭和初期の頃、外国製品に対抗できる電気化学工業を興して”日本の柱”にならんとするものであった。この男の志がなければ、安易に外国の製品や外国の技術に頼るばかりで、電気化学工業における日本の産業技術は育たなかったと思われる。今日の我々はもっと知っておくべき事実である。2014/05/11
たつ
15
こういう本はいい!男が魅力的!熱い社長さんを支える奥様も見事!明治から大東亜戦争の頃、「国家の柱になる!」「皆を友達にしたい!」と情熱燃やしまくる!様々な障害に怒涛の苦戦なのだが、見事結果を出してくれる。そして好敵手の副社長と全くタイプの違う詩人が色を添える。彼らと通わせた思いが、サクセスストーリーとは別の嬉しさをくれる。これ程存分に生きるって、小気味いいったらありゃしない。2015/05/06




