日経プレミアシリーズ<br> 恋と誠―伊勢物語 在原業平

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日経プレミアシリーズ
恋と誠―伊勢物語 在原業平

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  • サイズ B40判/ページ数 192p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784532264451
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1293

出版社内容情報

千百年前から伊勢物語は読み継がれ、ふるくから在原業平はプレイボーイの代名詞だった。業平の「色好み」とはいったいどういうものなのか――多くの読者を獲得している『小説伊勢物語 業平』の著者が自ら小説に紡ぐうちに浮かび上がってきた「雅」という人間力に迫る!

「英雄、色を好む」ということわざがある。現在ではセクシャルハラスメントになりかねないが、長らく続いた男尊女卑の社会では、それをよしとしてきたことを表すフレーズとも言える。英雄ではないにしても在原業平もしばしばこの文脈でプレイボーイの代名詞として人々の口の端にのぼってきた。しかし、業平の「色好み」は単に女性との性愛に執着することとは違うのではないか――見えてきたのは、現代にも通じる豊かな人間関係を構築できる能力だった。そして「雅」とはその能力に裏打ちされた人間的な余裕だとも。社会が多様性を認めることを人々に求める現代人にこそ、その優れたコミュニケーション力を、業平から学ぶところは大きい。
伊勢物語は恋愛の教科書ともしばしば言われる。つまるところ、男はいい女に育てられ、成長した男がいい女を育てる、それも思いを歌に詠むことによって。それゆえに言葉のコミュニケーション力の高さが求められる。その能力は恋愛以外の人生も豊かにするものになるだろう。

内容説明

女が信じ、男が頼る人間力とは。平安の歌人・在原業平の一代記を日本で初めて小説化した作家が、政から遠ざかり「みやび」に生きた高貴な血筋の男の人間力を、数々の女性との恋や、男たちとの垣根を越えた交誼から解き明かしていく。

目次

第1章 高貴なるものの責務―ノブレス・オブリージュ(春日野の姉妹;西の京の女―業平にとって決定的な人)
第2章 女性からの気づき(五条の方―知的な小悪魔から学んだこと;蛍の方―巻き込まれたから見えるもの ほか)
第3章 禁じられた恋、そして和歌を広める同志へ(藤原高子―禁じられた恋、深い愛情;恬子内親王―耐え、貫く、強い女性が見つけた自分流)
第4章 男たちとの関係―人間的にも認められ、信頼される(源融―歌にも生き方にも尊敬;惟喬親王―雅を具現化する人、業平が生涯仕えたかった人 ほか)
第5章 巻き込まれた結果(九十九髪の女―流されて情を交わしてみると、いい女だった;伊勢(杉)の方―業平の歌人としての功績を委ねる)

著者等紹介

〓樹のぶ子[タカギノブコ]
作家。1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨文部科学大臣賞、2010年「トモスイ」で川端康成文学賞。芥川賞をはじめ多くの文学賞の選考にたずさわる。2017年、日本芸術院会員。2018年、文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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しゅてふぁん

68
伊勢物語ってこんな話だっけ?と思う箇所がいくつもあったけど、この本は伊勢物語の解説書ではなく高樹版小説伊勢物語の解説書だったと思い直す。雅とは「ギシギシ相手を追い詰め、白黒や正邪を決めない余裕」とのこと。なるほどなと思いながら読み進めるが、小説未読の私にとっては平安時代の風俗と絡めた筆者の恋愛論を読んでいるようでしんどかった(なんというか…ねちっこいのだ。←すみません(^^;))。とはいえ、高子や斎王との恋愛がどのように書かれているのかとても気になる。小説を読んでから読むとまた違った読み方が出来そうだ。2021/02/28

yamatoshiuruhashi

42
同じ著者による小説「業平」の解読のようなもの。どちらを先に読むか。どちらを先に読んでもワンセットで考えるような本である。伊勢物語の小説化自体が難しかしいことの証でもあろう。古典の言い回しのみならず、和歌の意味することそれ自体が難しいから、高校国語の古典も面白さが減ずるのだろう。「業平」はリライトとも言えてわかりやすくはなっているが、著者の独自の解釈や巻順の変更と相まって首を捻ることも。小説よりこちらの方が素直に読める。2021/01/13

りー

26
昨年、本編を読んだので、その補足として手に取りました。本編は、何とも言えないふわっとした空気感を楽しんで、するっと読めるのですが、こちらは理詰めの分、好みが分かれるかもしれません。業平の根本には虚無感があり、満ち足りていないからこそ心も表現も深まる。それは政治の本流から外れ、風流に生きる源融から受け継がれた無情と虚無の美学。いずれ廃れることも含めての美しさの深み。侘び錆の文化のルーツにもなる、滅びゆくものへ心を寄せる貴種流離譚好みはここから始まったという説が興味深かったです。2021/04/24

やぎママ

20
本編「小説伊勢物語 業平」を読んで5か月目にしてようやくよめた「恋と誠」~高樹さんの伊勢物語に対する熱い想いがひしひしと感じられる~歴史的背景をひもときながら、業平が愛し、また業平を愛した女性たちとの出会い、交わされる言葉と歌が次々と新書の中から令和の世に流れ出すよう~業平=平安のプレーボーイというあまり好ましくないイメージの業平だが、苦悩し、背伸びしつつ、大人になっていく様がとても魅力的に描かれていました。読後、しばらく他の本を読む気がせず、再びこの本の世界に浸ってしまいました・・・2021/08/23

那由多

19
著者の『小説伊勢物語 業平』を補完したもので、『伊勢物語』とはやや違う。著者の方は未読だが、 『伊勢物語』のあのシーンはこういう解釈もできるのかと、全く違う受け取り方ができて面白かった。業平全肯定で、女性陣に対しても批判せず肯定的なのが好感が持てる。なかでも高子は男前で、さすが業平最愛の女性と頷いた。2023/02/04

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