出版社内容情報
事業を長期的な視点で見つめられる一方、泥沼のお家騒動も起きる同族経営。本書は同族経営の強さをデータと証言から明らかにする。
内容説明
事業を長期的な視点から見られるメリットがある一方、親族の不仲から泥沼の「お家騒動」が起きることもある同族経営。経営者や後継者をめぐるリアルなストーリーと最新のアカデミズムの知見により、同族経営の「本当の強さ」と課題を明らかにする。
目次
第1章 同族経営は激しい―家族対立も企業成長の原動力
第2章 世代交代はもろ刃の剣―次の成長の好機か消滅への道か
第3章 後継者難の時代、家業を継ぐ哲学―個人の夢と家への思い
第4章 これからの老舗マネジメント―続いてきた、だけでは続かない時代
第5章 脱同族という選択―「その先」にあるものを求めて
第6章 知られざる「もう一つの主役」日本経済に深く根を張る同族経営
第7章 ビッグデータで初検証「同族経営のメカニズム」
第8章 同族だから起きる課題をアカデミズムで斬る
著者等紹介
中沢康彦[ナカザワヤスヒコ]
日本経済新聞社編集局企業報道部シニア・エディター。1966年新潟市生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。毎日新聞社記者を経て日経BP社に入社。「日経ビジネス」記者、「日経トップリーダー」副編集長、日経電子版デスクなどを経て現職。ファミリービジネス学会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
86
同族企業についてのいい面やマイナスの面についての分析でかなり参考になることが多いと感じました。前半はかなりの事例があり、最初の星野リゾートなどは一族経営のマイナス面をどのように今の経営者がなくしていったのかが書かれています。また林原の例などでは、コンプライアンスが同族経営では効かなくなる典型の例と感じられました。もう少しひとつづつの事例を詳しくしてくれたらと感じました。2018/03/17
koji
17
知り合いから勧められ読みましたが正直期待していませんでした。長く中小企業融資に携わり同族企業の事は何でも知っているという思い上がりがあったのかもしれません。しかし違いました。特に後半の分析が目から鱗でした。とりわけ「起こすべきよい対立」と「避けるべき悪い対立」には得心しました。これから人間関係の対立をみる時「先代と後継者の言葉遣いはどうか、職場に誤った意見を言っても攻撃されない心理的安全があるか」に着目することにします。更に日本もドイツ同様、同族研究をもっと進め保護策を考えるべきとの著者の主張に同意します2018/02/11
miraiocoo
10
中小企業の辛さが書かれております。現在は、大企業でも一発で倒産することもあることはありますが。 と言っても、経営者の舵取り次第では企業は大きく変身することも実感です。 2018/02/19
ハパナ
7
同族企業故のメリットとデメリットを、実際の承継モデルを基に解説した本です。株主の安定性から長期プランを実行しやすい反面、内部的な覇権争いが生じやすい。気質と環境と本人の熱意は勿論ではあるが、運の要素も大きいと思いました。 2018/04/08
スプリント
6
同族企業のメリットとデメリットが事例を通してよく理解できました。2018/02/26