出版社内容情報
ステレオタイプな「中国人」はすでに存在しない。わずか数年で、劇的に変化した中国の「イマ」を、豊富な実例で探るルポルタージュ!
内容説明
爆買い、おカネ大好き、パクリ天国―。こんな「中国人」像はもはや恥ずかしい?街にはシェア自転車が走り、パワーブロガーが影響力をもつ中国社会は、私たちの想像を絶するスピードで大きな変貌を遂げている。次々と姿を変える中国を描いた衝撃のルポルタージュ。
目次
プロローグ どうして日本人はまだ現金を使っているの?
第1章 発展が早いのは、遅れていたから
第2章 「不信社会」をスマホが変える
第3章 中国人は情報統制されている?
第4章 カネの亡者は消えたのか?
第5章 日本の経営者の教えに涙を流す
第6章 「パクリ天国」に困惑する人々
第7章 結婚も出産もしない若者たち
第8章 「異質な隣人」が台頭する恐怖
エピローグ 日本と中国という合わせ鏡
著者等紹介
中島恵[ナカジマケイ]
1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経てフリージャーナリスト。中国、香港、アジア各国のビジネス事情、社会事情などを執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
104
このような本を読むと本当にテレビやウェブ上の情報というのは、視聴率を稼ぐためにかなり脚色しているあるいは視聴者が喜びそうな部分だけをピックアップしているといわざるを得なくなります。やはりこの著者は中国語がかなりできるようで、そのような人が多くいれば、中国人に対するイメージも変わっていくのでしょうが。私はキャッシュレスが他の国で進んでいるのは(あるいは日本が進まないのは)、ここにも書かれているように紙幣などのレベルがかなり違うことと、一挙に技術が進んでしまったということなどがあると思います。2019/01/10
えちぜんや よーた
97
この本を読むと日本でキャッシュレス決済がなかなか進まない理由が分かるようになる。中国と比べて日本では現金がありがたすぎるのだ、物理的に。日本でキャッシャレス決済を普及させたかったら日銀の発券局や財務省の造幣局で大リストラを行ない、古くて汚い紙幣や貨幣を容易に回収されにくい仕組みにすれば良い。もしくは紙幣を新しく発行するときは海水で揉んで天日に晒してから市中に流通させる。貨幣で使う金属は腐食しやすくて重い鉄などがおすすめ。2018/10/26
Willie the Wildcat
70
正に「リープフロッグ現象」。経済の成長はもちろんだが、政治体制と国民性が、強固な土台を築き上げる。信用と合理性。文字にするとシンプルだが、それぞれ複数の文化・社会的特徴を暗喩。特に後者は、弱者・格差救済の一助となる一面と、流行を意識しない”日常”の変化から精神的な豊かさを追及する一面が印象的。著者の〆にも共感。上述の現象も功罪両面で影響し、先入観はもれなく目を曇らせる。文化は違えど、人として持つ心底の欲求は同じはず。故に”等身大”ですね。2018/06/18
seki
38
中島氏による中国社会の最新事情のルポ。今、中国ではスマホが爆発的に普及し、小さな屋台やレストランで払うチップまでもがスマホによる決済だという。日本ではここまでどころか、まだ現金が主流。これは日本と中国、どちらが「進んでいる」というのではなく、これまで中国は貧しく、インフラが進んでいなかったが、カエル飛びのように経済が豊かになったことによる独特の現象だと筆者は分析する。他にもSNSの普及で中国人の行動マナーが変わってきたとか。中国に対するイメージが変わる一冊。今、日本はこの隣国に見習う点が多いように思う。2019/12/07
白玉あずき
32
最近中国では、物乞いさんまでが現金を欲しがらずにチャージしてくれとカードを差し出すのだ、と夫に聞いて(多分友人の受け売り)興味津々で購入。黒竜江省から毎年受け入れている研修生さんもここ2、3年はすっかり変わってしまって、自前のPCやらアプリ満載のスマホを持参し余裕のオーラを醸している。本当にキャッチアップって早いなあと驚くばかり。「民度」は国力と経済力次第。日本人と同じ様に、それぞれ問題もある環境の中で必死に生きてるのは一緒。農村戸籍と都市戸籍の格差、差別の解消はできるのだろうか。大きな国土に大きな格差。2017/11/25
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