出版社内容情報
バブル崩壊が現実のものになったとき、日本は、世界はどうなるのか。「Xデー」へのシナリオを、中国と日本の取材記者が描き出す!
内容説明
急激な株価下落と異例の株価対策。人民元の切り下げに端を発した世界同時株安―中国政府の統制がきかず、経済がクラッシュする「悪夢」が現実のものとなったとき、世界は、日本はどうなるのか。国内と世界各地に駐在する市場・経済担当記者が総力を挙げて描き出す!
目次
プロローグ―20XX年、中国経済崩壊
第1章 ドキュメント 株安・人民元ショック(株バブル崩壊;人民元ショック ほか)
第2章 中国のニューノーマル(新常態)(中所得国のわな;進む企業淘汰 ほか)
第3章 強まる大国意識(既存秩序への挑戦;米国とのかけひき ほか)
第4章 中国減速、身構える日本と世界(日中、切れない関係;独仏の中国シフト、相互依存を深める米中 ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Miyoshi Hirotaka
31
漢民族が最大版図になった明の時代は、わが国を含む周辺国との間に朝貢関係が成立していた。朝貢貿易は、する方には屈辱感、される側に財政負担がかかる。この仕組みが機能していたのは順調な農業生産を裏付けとする通貨に信用力があったから。ところが、15世紀半に東アジアが寒冷化、農業生産が低迷し、朝貢バブルが弾けた。為政者はリスクの高い政策を取るようになり、支那は北虜南倭の時代に、わが国は、応仁の乱を経て戦国時代へ突入した。バブル崩壊は防げないし、それが近いことは数字で示されている。できることは影響を最小化することだ。2017/03/26
ちくわん
20
2015年10月の本。日本経済新聞社編。執筆者42名。新聞社なので記述にばらつきがない。(誉めているのかどうか)歴史的な背景を踏まえ2015年の世界における中国を描き出す。反腐敗運動は、この国らしい。歴史は繰り返す。特需に頼るのは危険、それがここにも現れている。日経なので表面は固いが、一段下に入ると、やはり的確に言い当てている。日経プレミアシリーズは、ほんのちょっと注目か。2021/01/09
nori
8
This book was written after China Shock in Aug, 2015. Prediction in the book might be right in acute drop in Jan, 2016. But after that, significance as stated in the book was not weighed. Now Brexit and disassemble of Euro order is the most significant.2016/06/27
ダンボー1号
8
2015年8月の上海株式市場暴落に始まり、近未来予測と中国経済の現状を多方面から分析してその影響を考察するのに役立ちます。同じテーマでも書く人により崩壊願望が込められた内容が単行本などよく見られますが、この本は新聞特集記事の各論をまとめた感じです。中国経済が崩れた時のアジア・欧州・米国・日本への影響が実に恐い。爆買いと言っても中国内でもすでにコスパ重視、身の丈に合った購入スタイルが増えてきているとか、マジか?じゃ爆買いも続かない。中国がモッタイナイとか言い出したら世界の誰が消費する?2016/02/03
kawa
7
2015年の中国経済状況レポート。その都度、日経新聞等で読んでいる情報だと思うのだが、時系列、シーン別、テーマ別等でまとめ読みすると新しい気づきがある。今の中国経済の減速や資源安が、リーマンショック後の社会不安阻止のために行った多額景気対策で生じた過剰設備に遠因があるという記述はなるほどと思うが、今回はどう社会不安を抑えるのだろうか?それにしても、上位1%の富裕層が3分の1以上の資産を保有するという中国(日本は多分その半分以下だろう)、社会主義の理想からずいぶん遠いところにきたものだと思う。 2015/11/22