出版社内容情報
大河ドラマの陰にひそむ、熱い階級バトル! 組織の中で這い上がった武士、浪人からキャリアを重ね成功した武士たちなど、時代考証の第一人者が、数々のエピソードから、働き方の教訓を導き出す。
内容説明
足軽の家から老中へ?―江戸時代は「能力主義の下剋上社会」だった!「引き上げてくれる人」の心をキャッチした柳沢吉保、上司に嫌われ閑職にやられた遠山金四郎景元、忠義を貫いて世論代表になった大石内蔵助など、武士たちの出世構造と処世術を読み解く。
目次
序章 江戸は「能力主義社会」だった
第1章 「大河ドラマ」に見る幕末の格差社会
第2章 組織の中で昇進する武士たち
第3章 歴史に名を残したノンキャリアたち
第4章 評判はいいが出世しない武士、評判が悪いのに出世する武士
第5章 尊敬された君主、放逐された君主
終章 勝ち組と負け組を分けたもの
著者等紹介
大石学[オオイシマナブ]
東京学芸大学教授。1953年東京都生まれ。76年東京学芸大学卒業、同大学院修士課程修了。82年筑波大学大学院博士課程単位取得満期退学、名城大学専任講師、助教授を経て、97年東京学芸大学助教授、のち現職。NHK大河ドラマの時代考証を担当。2009年、時代考証学会を設立、現在同会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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リキヨシオ
28
1608~1867の江戸時代の間に1637島原の乱、1864の長州戦争、位しか大規模な戦がなく、幕府や藩が民衆の生活を保障する代わりに民衆は幕府や藩を信任した平和な時代。戦功を挙げて出世する、武力で領地を広げるという価値観がなくなり、家柄重視の世襲制となった江戸時代前期。中期になり吉宗の時代からは家柄ではない能力主義を登用。武士と言っても、上司に嫌われると出世ができなくなるなど…現代と似ている仕組みばかり。個人的には井伊直弼…興味を持った!悪役のイメージも強いけど…日本の植民地化を防いだとも考えられる…2015/04/30
Isamash
26
大河ドラマ時代考証担当の大石学東京学芸大教授2015年発行著書。江戸時代の出世した武士を何人か取り上げている。著者はどうも出世=能力が高いという意識の様で少なからず反感を覚えた。地位より何を成し遂げたがより重要と思うのだが。ただ江戸時代でも、生まれた家の格を飛び越えて重用された人間が複数いたことは興味深くは感じたしその場合の殆どで親等による非常に手厚い教育が前提としてあったことを知った。また登場人物としては佐久間象山、伊能忠敬、榎本武揚、二宮尊徳は知らなかったことが多く興味を惹かれた。佐久間は尚謎残った。2024/06/10
ちくわん
20
2015年3月の本。江戸時代(含む明治維新)に活躍した武士を評価。つながり・背景を理解するために大石氏の本は、私には勉強になる。ノートが止まらない。それにしても江戸265年は短い。(…生きていた訳ではないが…)2021/10/02
ようはん
18
本で紹介されている江戸時代の有名な人物を見ると才能を評価されて抜擢された人物が結構多い。とはいえ抜擢された故に周囲にパワハラを受けて刃傷事件が起きたケースもあったりと人間関係のいざこざは昔も今も変わらない。2022/05/23
はるほのパパ
17
HOW TO本?ということで見るとタイトルに違和感あり。 「出世した武士、しなかった武士」か何か・・・。 ただ当時の遂行した職務、成業に関して言えば具体的でわかり易い。 簡潔に何をしたかという観点で見れば興味深くまとまっている。2015/04/05