出版社内容情報
2030年、産業革命を超える
「大分岐」が到来する!
AIの普及が生み出す純粋機械化経済。我々はこれから劇的な変化を目撃する--。歴史・技術・思想など多角的な視点から未来を問う。
ベストセラー『人工知能と経済の未来』の著者による力作、『純粋機械化経済』を、上下刊に分けてビジネス人文庫化します。
2030 年頃にAI は、人間と同等になったり人間を超えたりはしないものの、人間の知的振る舞いをぎこちまねる程度には進歩している可能性があります。人間の知性に近いそのようなAI を手にしたものが、次世代の経済的覇権や政治的覇権を手にすることになるのです。
それゆえ、AI の進歩の遅れている日本のような国は没落し、進んでいる中国のような国は飛躍的に経済力や軍事力を伸ばして、覇権国家となるでしょう。AI 時代に世界は大きく分岐するのです。
本書は、AI が持つ暴力的なまでの巨大な力の正体とそれが一体どんな便益や害悪をもたらすのかを明らかにします。
下巻では上巻で展開したAIの発展と影響を経済理論に基づいて議論します。さらに、過去に生じた「新石器時代の大分岐」と「工業化時代の大分岐」という2つの開きが国や地域の繁栄にどのような影響を与えたかということについても議論します。そのうえで間もなく訪れる「AI 時代の大分岐」について論じます。
内容説明
過去に生じた「新石器時代の大分岐」と「工業化時代の大分岐」という2つの開きは、その後の国や地域の繁栄を大きく左右した。2030年に到来する「AI時代の大分岐」の後には何が起こるのか、人々が豊かになるには国家は何をなさなければならないのかを論じる。
目次
第4章 技術的失業と格差の経済理論(経済学はなぜ技術的失業を軽視するのか;現代経済学における技術的失業の扱い ほか)
第5章 新石器時代の大分岐―人類史上最大の愚行はこうして始まった(ガンディーと産業革命;人類史上最大の過ちとは ほか)
第6章 工業化時代の大分岐―なぜ中国ではなくイギリスで産業革命が起きたのか(大分岐論争;地理的条件が繁栄を決定づける ほか)
第7章 AI時代の大分岐―爆発的な経済成長(なぜ中国が最初にテイクオフを果たすのか―デジタル・レーニン主義の行方;過去の三つの産業革命と経済成長率 ほか)
第8章 AI時代の国家の役割―中枢を担うのは国家か、プラットフォーム企業か(1968年革命;なぜ今アナーキズムの時代なのか ほか)
著者等紹介
井上智洋[イノウエトモヒロ]
駒澤大学経済学部准教授。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。慶應義塾大学環境情報学部卒業、IT企業を経て、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。2017年から現職。博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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禿童子
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