内容説明
「お金はなぜお金なのか」「見えざる手によって導かれる経済とは」―むずかしいと思われがちな経済学を、日常生活の視点から眺め、基礎の基礎から解説しました。この1冊で最新ニュースも驚くほど理解が深まります。実際の大学講義を、ライブ感そのままに編集した、大好評単行本を文庫化。
目次
1 金は天下の回りもの―経済とは何だろう?
2 お金はなぜお金なのか―貨幣の誕生
3 「見えざる手」が経済を動かす―アダム・スミス
4 資本主義は失業者を生み出す―マルクス
5 公共事業で景気回復―ケインズ
6 「お金の量」が問題だ―フリードマン
7 貿易が富を増やす―比較優位
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
ジャーナリスト・東京工業大学教授。1950年、長野県松本市生まれ。慶應義塾大学卒業後、73年にNHK入局。報道記者として、さまざまな事件、災害、消費者問題、教育問題を担当する。94年から11年にわたり「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍した。2005年3月にNHKを退職しフリーに。書籍やテレビ番組でニュースをわかりやすく解説することで幅広い人気を得ている。12年より東京工業大学リベラルアーツセンター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
87
池上さんが客員教授をしていた京都造形芸術大学で行った一般教養の集中講義「経済学」をもとにした本。アダム・スミスの古典派経済学、マルクス経済学、ケインズ経済学、ミルトン・フルードマンのシカゴ学派まで、実際に起こったことを事例にあげて解説しているので、題名のようにやさしく経済学を学べた。やはり経済は人間生活に密着しているので、人間の思惑によって、経済学の理論どおりにはいかないことが良くわかった。この本のおかげで、「TPP、決着つかず」という新聞記事を違和感なく読むことができた。続けて2巻を読むことにする。2015/08/05
ぴえろ
53
経済について学んでみようと思い立ち基礎から。池上さんの番組もそうだけど著書も分かりやすい。芸術大学の学生に向けた講義のようだが「経済学」を身近に感じられるよう創意工夫されたとのこと。アダム・スミス,マルクス,ケインズ,フリードマン。世界に影響を与えた経済学者を取り上げてその時代背景や問題その処方箋として生まれた考え方を結び付けながら説明されていてとても分かりやすかった。2021/05/23
かわうそ
45
銀行、信用金庫などの金融機関が軽視されがちな今、金融機関の重要性を再確認できたのがいちばん良かった。銀行、信金の役割はお金のあるところからお金のないところにお金を流すことであり、また、信用創造といってお金を増やすこと、それによって経済を円滑に回すというものである。クラウドファンディングがあるから銀行はいらないということにはならない。クラファンの限界は企業の宣伝力に左右されてしまうこと、支援者の一人一人に理解力が問われことである。また、金融機関の融資の方が遥かに迅速性があることを忘れてはいけない。2024/05/18
saga
40
息子に「お金って何?」と質問されて答えるのに四苦八苦(^^; 本書を読むとそんな質問にも答えてあげられる。アダム・スミスの「見えざる手」も『神の』という誤った刷り込みがあった。そんな基本中の基本から経済学を学べる良書。TPPもアベノミクスも解説しており、つい先日読了した某書は買う必要がなかった~大学生を講義対象とした講演のため、マルクスやケインズなどの良し悪しについては学生に考えさせる書きぶりである。2015/05/06
bluemint
38
平行して中矢俊博「イチからわかる学びなおし経済学」を読んだが、こちらの池上本のほうがはるかにわかりやすい。説明が的確で内容も過不足ない。さすがに人気の解説者だと思った。2017/06/06