内容説明
トランジスタ、ダイオード、マイクロテレビ―革新的技術と製品化力で世界企業ソニーをつくりあげた井深大。「技術者たちが技術することに深い喜びを感じ、その社会的使命を自覚して思い切り働ける安定した職場をつくる」を目標に走り続けた半生記―日経連載「私の履歴書」、待望の文庫化。
目次
第1部 井深大 私の履歴書(祖父のこと;小学生のころ;中学時代;早大時代;社会人第一歩 ほか)
第2部 その後の井深大(トリニトロン開発物語;卓越したプロジェクト・マネジメント;無邪気で、不器用で―素顔の井深大;技術者としての信念;ウォークマン開発、もう一つの物語 ほか)
著者等紹介
井深大[イブカマサル]
1908年4月生まれ。33年、早稲田大学理工学部卒。写真化学研究所、日本光音株式会社、日本測定器株式会社を経て、45年10月、東京通信研究所設立。46年5月、東京通信研究所を改組し、東京通信工業株式会社(現ソニー株式会社)を設立、代表取締役専務就任。代表取締役社長、会長などを歴任。92年11月、文化勲章。97年12月19日逝去。勲一等旭日桐花大綬章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中島直人
10
(図書館)第二次世界大戦後、日本の経済復興を実現したのは、このような人達が居たからだと思う。大変だとは思うが、本当に楽しい、やりがいがあると感じられる仕事は、自分で一から作り上げるものなんだろうなと、そんなチャンスに恵まれたことを羨ましく感じている。2018/04/03
aponchan
6
ソニー創設者である井深氏の「私の履歴書」とその後の人生を記した書で、各所に参考となるべく考えが散りばめられた良書。組織のあり方と人の関わり方が本末転倒になっているのでは的な考え方は、非常に腹落ちさせられました。2018/06/06
mitya
3
ソニーの創業者、井深大について少し知ることができた。大企業志向ではなかったのが驚き。技術者でありながら、人間的スケールの大きさを感じた。2020/10/11
doji
3
ソニーに対する理想と、大企業に対するある種の抵抗感と、それぞれがあらゆる企業人の中にあるように思うけれど、井深さんや盛田さんのビジョナリーさはある意味ではいまのテック企業のそれであり、そういった思想を資本主義がぶくぶくと大企業的に膨らませていったというのが事実としてあったのではないかと、読みながら思った。井深さんも規模を大きくすることは望んでないと書いていて、見習うべきは規模ではなく意思なのだと思う。2020/02/25
れお
3
偉大なるファウンダーというのは、これほどまでに先見の明があるのかと唸らされる。 創業70年となりファウンダーを知らない社員が増えていくなかで、いかに設立趣意を継承し、時に改めながら企業活動していくか。 ビジョンは語られるだけでは無意味。浸透させる人間力が、井深さんの言葉の端々から感じられる一冊であった。2020/01/16