内容説明
作詞家であり歌謡曲の革新者として膨大なヒット曲を世に送り出した阿久悠。ジャンルを越えた稀代のヒットメーカーの自伝小説は、癌の手術と「9・11」が偶然にも重なった時に書き始められた。抑制された筆致で、常に「時代」に真正面から向き合ってきた作家は、言葉がどんどん力を失っていく日本と日本人に向けて、何を語り継ごうとしたのか。
目次
序章 癌とテロリスト
戦争しか知らない(ルーツ知らず;淡路島;戦争しか知らない;少年兵の死;八月十五日の長い夜;家族旅行;ラジオ少年;学校の風景;子どもの記憶;課外授業から)
旅立ち(結核の夏;高校時代;暗闇の遊覧船l無冠の父;旅立ち;白雲たなびく;学生時代;なべ底景気)
無名のころ(月光仮面;広告代理店;脚本家課長;上村一夫;無名のころ;跳ぶ直前;結婚前後;放送作家;二重生活;時代が来た;われらの時代)
作詞のこころ(ビッグバン;作詞家へ;作詞のこころ;作詩賞不始末;作曲家たち;テレビから;スター誕生)
期待以上(期待以上;月刊YOU;一時休筆;父の死 母の死;三十周年から;二十一世紀)
終章 生きっぱなしの記
著者等紹介
阿久悠[アクユウ]
作詞家・作家。1937年、兵庫県淡路島生まれ。作詞代表作に「また逢う日まで」「津軽海峡・冬景色」「北の宿から」など。主な著書に『瀬戸内少年野球団』『詩小説』『ラヂオ』など。1997年、菊池寛賞受賞。1999年、紫綬褒章受章。2007年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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