出版社内容情報
権力、栄光、美の象徴、そして万能の貨幣。古来より崇拝され世界通貨としての復活を取り沙汰される金。その魔力に人々はいかに翻弄されてきたのか。めくるめく金の興亡に人間の愚かさを浮き彫りにした傑作歴史物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
132
最近この作者の「リスク」という本を読んだので、15年前に読んだ本を再読しています。マイナス金利ということや世界的な株安ということで、全世界的にまた≪金≫が注目されているようです。この本はその金についての歴史、あるいは価値がどのように創出されてきたのかをあまり経済学的な難しい理論を持ち出さずに説明してくれています。これ読むと、ビットコインの位置づけというものが少しはわかる気がしました。2016/02/16
出世八五郎
14
読めそうな気がして手に取るも読み終わるのに何年かかったか?前半序盤は楽しめますが、以降は経済や金融の知識が身に備わっていないと読めないというか、とても難しくなります。お陰で数年前に中断したのを久しぶりに手に取り読了。戦後のアメリカドルがキーカレンシーになったのは勝者となった理由もありますが、まず世界の70%以上の黄金を保有していたから。それが何故大恐慌下のアメリカに集まったのか。P537.黄金価格が上がり産出量も増える中、各国は余った黄金を売る必要があり米国が1オンス35ドルで買ってくれたからのようです。2015/01/05
DonaldTrump
7
古代ギリシャから、第一次・第二次世界大戦前後、ニクソンショック前後の金本位制まで、包括的に金の歴史を扱っている。読みにくいが、隙間時間で読むならお奨め(^。^)2012/02/28
西條風太郎
3
黄金を中心に世界史を振り返り、通貨とは何であるかを考える名著。読み始めると軽妙洒脱に人間と黄金との面白いエピソードが紹介されているので軽い読み物としてさらっと読み流すつもりだったのだが、中盤も過ぎると通貨論が展開され、読み応えのある一冊だった。紀元前7世紀以来、人類は黄金に執着してきたのだけれども、このほとんど利用価値が乏しい金属を人間が追い求め、抗争を繰り返し、恥知らずな振る舞いに走るのはなぜなのか。これは一部の強欲な野心家の歴史なのではなく、豊かさと安定を求める小市民の歴史であると思う。2013/05/28
yooou
1
☆☆☆☆★2006/06/18