太陽の門

電子版価格
¥2,200
  • 電子版あり

太陽の門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 46判/ページ数 490p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532171629
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

デビュー3年で主に戦国武将が主人公の11作を刊行し、歴史小説に新風を吹き込む赤神諒氏が、伊集院静氏の休載期間中に日本経済新聞朝刊の小説欄に急遽抜擢され連載した本作は、赤神氏初の現代小説だ。
5カ月後に幕を開ける第二次世界大戦での枢軸国対連合国の戦いの構図を先取りしたスペイン内戦(1936‾39年)が舞台。成立したばかりの共和国政府に対する軍部の叛乱を阻止しようと立ち上がった市民兵とともに銃を取った元米国軍人リックを主人公に、圧倒的に劣勢に立ちながら、徒手空拳で立ち上がった市民ひとりひとりをクローズアップして描くことで、ファシズムとスターリニズムから自由と民主主義を守る戦いと言われるこの「戦争」が、本当は何のための戦いだったのか、を浮き彫りにする。格差や分断が社会を揺るがす現在の私たちをも照射する作品に仕上がっている。
この重厚な物語にエンタテイメント性を加えるのが、主人公リックの設定である。著者が映画史上不朽の名作である「カサブランカ」の前日譚として着想し、映画でハンフリー・ボガード扮するリック・ブレインが本作の主人公という趣向。映画ではイングリッド・バーグマン扮するイルザ・ラントやほかの登場人物たちも登場させて、名ゼリフぞろいの映画へのオマージュとして編み出された創作だ。戦渦で恋する男女の洒落た会話にも磨きがかかり、キザなセリフ、スパイスのきいた皮肉も読みどころである。

加えて、新聞では戦渦の恋が終わるところで連載の幕を閉じたが、連載後にリックのその後が気になるという声が新聞の読者から多数寄せられた。単行本化にあたり文字通り「カサブランカ」の前日譚として、映画の設定の直前まで時間軸を延ばして大幅に加筆、新聞で読んでいた読者もさらに満足感を得られる内容になっている。

内容説明

第二次世界大戦前夜、共和制への軍部の叛乱から勃発したスペイン内戦は、ファシズム対民主主義の闘いとされ世界を巻き込んだ。徒手空拳の民兵たちを指揮する元米国軍人のリックは、空襲で運命の女性と引き裂かれて銃を取る。激戦地に咲く最高の恋。本物の愛はきっと赦し合える。時の過ぎゆくままに。

著者等紹介

赤神諒[アカガミリョウ]
1972年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、上智大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。私立大学教授、法学博士、弁護士。2017年、「義と愛と」(『大友二階崩れ』に改題)で第九回日経小説大賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

旅するランナー

225
映画「カサブランカ」の前日譚。スペイン内戦(1936-39年)が描かれます。とにかく主人公リチャード・ブレインが魅力的なんです。女性写真家ゲルダが評するように、クールでキザなくせに気配りがあって、いつも仏頂面で機嫌が悪いくせに思いやりがあるんです。戦友のために見せる男気に惚れちゃいます。そして戦場での別れに涙します。あのセリフ「君の瞳に乾杯」でも泣きました。戦争小説の良作です。安藤巨樹さんによる装画・挿画もイイ味出してます。2021/08/14

starbro

155
このレビューは”As Time Goes By”を聴きながら書いています♪ https://www.youtube.com/watch?v=EPSzkpNucV8 赤神 諒、2作目です。今まで歴史小説だけだった著者の新境地でしょうか?カサブランカの前日譚、著者は楽しんで陶酔して書いている気がしますが、読者はそれほど面白くありません。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55336410W0A200C2BC8000/2021/06/09

Kiyoshi Utsugi

34
「太陽の門」とは、スペインのマドリードにある広場「プエルタ・デル・ソル」のこと。 また、この作品は映画「カサブランカ」へのオマージュとなっており、「カサブランカ」の設定に基づき(人物設定含む)、スペイン内戦を題材としたものになっています。 時代的にはカサブランカの前(イルザと出会う前)になります。 リック(ハンフリー・ボガート)、イルザ(イングリッド・バーグマン)、サム(ドリー・ウィルソンが演じるピアノ奏者)が登場するのも映画と同じ。 同じ国のもの同士が戦う内戦とは何なのだろうと考えさせられる作品でした。2022/01/08

マムみかん(*ほぼ一言感想*)

32
初読み作家さん。 映画『カサブランカ』へのオマージュとしての前日譚。 リックがパリでイルザと出会う前、スペイン内戦での悲惨な戦争体験と悲しい恋。 不機嫌に皮肉を吐きながらも弱い立場の味方で、痩せ我慢しながら美学を貫く! ピカピカの気障(♪カサブランカ・ダンディ♪)!! 映像的で、とても面白かったです。 ロマンチックな愚か者好きさんの、心を鷲掴みですよ☆ 2021/09/03

marryparty1

26
初読み作家さん。日経新聞で連載されていたそうですが新聞で読んでたら毎日ソワソワしていたかもしれません。5カ月後に幕を開ける第二次世界大戦での枢軸国対連合国の戦いの構図を先取りしたスペイン内(1936~39年)が舞台。多くの人が亡くなるので戦争はやはり悲惨だと思いましたが、スペイン情勢も恋の行方も気になって中盤からは一気読み。映像で観てみたいと思いましたが、著者さんは映画「カサブランカ」の前日譚として着想されたそうです。この映画が観たくなりました。「君の瞳に乾杯」って台詞この映画だったんですね。2021/06/06

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/17747829
  • ご注意事項

最近チェックした商品