出版社内容情報
結婚22年目、一見幸福に見える夫婦の間には娘の出生をめぐる二人だけの秘密があった。それはやがて各々の恋愛につながっていき、二人は新しいパートナーとの道を歩み出す--時代の閉塞感に挑む、メッセージ性の高い恋愛小説。
■目次
1章 雑木林のあと
2章 遠い秘密
3章 長梅雨
4章 銀座の木菟
5章 それぞれの夏
6章 出来ごころ
7章 魅せられて
8章 嘘
9章 火の河
10章 恋重荷
11章 秋から冬へ
12章 雪積もる朝
終章 むさしの乙女
内容説明
うわべは幸福な夫婦も、一人の男であり女である。結婚22年目の夏。夫と妻が新潟と東京でそれぞれに出逢った激しい恋!平穏な日常生活にひそむ虚偽を暴いて、二人を仄かな光の中に誘い出す正統的恋愛ロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マイ
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1:久しぶりにここまで酷い話を読んだ。男性らしい目線で書かれた、女性が主人公の作品だった。この本に登場するひとたちがもうどうしようもない程道徳的に救いようがないと思った。このような人間が家族に一人いるだけで、生活すべてが苦痛になると思った。亡き親友の夫と不倫する母親と左遷先で不正融資をするほど入れ込んだ父親を見た娘がそんな簡単に納得などするはずがないだろう。人物の心理描写がどこも不自然だった。二度と読みたくない。2014/07/05
ちゃかぱん
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・生きていく上で大切なのは、真実なんかではない。ひとつの残酷な真実よりも十の優しい嘘のほうが、人生をしのぎやすく豊なものにする。 ・人間は正義や真実ばかり食べて生きてゆけない。必要なのは時に嘘や裏切りさえも受け入れるおおらかな心なのだ。それがあればなんとか他人と折り合ってやっていける。 ・打ち明けていい嘘と黙っている方がいい嘘とこの世には二つある。 (本文より)2010/02/15
おおい
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新潮文庫版。全く初めての作家、作品だったが、久しぶりに秀逸な良い作品に出会えた。最後は、ハッピーエンドなのか?、ぜひ続編を楽しみたい。2023/02/12