内容説明
観客とは無責任に楽しもうという精神のことである。ときどき弥次を飛ばしたまには小さく拍手して周囲の人といっしょに泣いて笑って…宝物いっぱいの自伝的エッセイ集。
目次
第1部 ぼくの履歴書(芝居好き;旧満州生まれ;小3の兵隊劇 ほか)
第2部 こころの玉手箱(民衆芸術劇場『破戒』のチケット;『荒地詩集』;ショルダーバッグ ほか)
第3部 観客歳時記―2004年~2011年(いま求められる男性像;ジョバンニの旅;クール、クール ほか)
著者等紹介
小田島雄志[オダシマユウシ]
1930年(昭和5)旧満州・奉天生まれ。東京大学文学部、同大大学院修士課程修了後、国学院大学、津田塾大学、東大での講師を経て、東大で助教授、教授を務めた(現東大名誉教授)。66年文学座入り(70年まで)。40代に入ってシェイクスピア全戯曲の翻訳に取りかかり80年完訳。同年芸術選奨文部大臣賞。93年から東京芸術劇場館長(現名誉館長)。95年紫綬褒章。2002年文化功労者、2011年読売演劇大賞・芸術栄誉賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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viola
4
シェイクスピアの次に尊敬している小田島雄志さんの新刊!表紙のイラスト、そっくりですね(笑)普通であれば、え~べつにあなたの半生なんて興味ないし~~となるところですが、小田島さんに半生であれば全くそうはならず、ひたすら泣いてしまう始末。もちろん既刊の著書と被っている箇所はあれど、ここまでしっかりと履歴書となっているものは初めてですね。お気に入りサルトルの戯曲『キーン』って、ミュージカル化され宝塚にもなっていたとは。ある占い師の話が載っていました。この方は文学が人の役に立つとは思えなかったのでしょうね2012/08/08
モンとブラン
3
演者として動くか、観客として見守るか、それが問題だ。ご本人は、観客に徹したというが。やはりあなたは、スポットライトの当たった主役である。しかし天才であるが故なのか、気づかない。気づかないからこそ楽しく生きている。なんとも都合よくバランスのいい人間である。どうでもいい話をよく覚えている。シェイクスピアと同じく人をよく見ていたのか。はたまたシェイクスピアなのか。それにしても、ユーモアのかけらもないダジャレには報復絶刀である。でも表紙の通りのおじいちゃんだから許しちゃいたくなるんだなぁ。2014/10/31
たくのみ
2
東大紛争で吊るし上げに会いながら、そこからも何か得ようとするポジティブさ、50までにシェイクスピア完訳の目標をたて、見事に成し遂げるパワー。そして、なにこのすごい人脈!気取らない姿と演劇界の青春群像が垣間見られて楽しかった。2012/09/22
いろじろ
0
私も「良い観客」になりたい。2013/01/27
norio sasada
0
https://blog.goo.ne.jp/sasada/e/f7a3ec2e7ec8eead9b40683f2da346a5 https://note.com/norio0923/n/n98a8e271736a2020/05/04