内容説明
テレビ特別番組『歸國』シナリオ原作。俺たちは今のような空しい日本をつくる為に、あの戦いで死んだつもりはない。
著者等紹介
倉本聰[クラモトソウ]
1935年(昭和10年)東京都出身。59年東京大学文学部美学科卒業。63年ニッポン放送退社後、シナリオ作家として主にテレビドラマを書く。77年北海道富良野市に移住。84年脚本家と俳優を志す若者を養成する私塾「富良野塾」創設・主宰。93年環境問題を考え行動する作家たちのグループ「自然文化創造会議(C・C・C)」を設立、議長を務める。06年閉鎖されたゴルフ場に、植樹と環境教育のための「SMBC環境プログラムNPO法人C・C・C富良野自然塾」を設立・主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さゆ
17
シナリオは殆ど読んだ経験がないので比較することができないのだけれど、それでも、これがすぐれたシナリオであることは自明であると思われる。数行読んだだけで、目の前に舞台が広がる。舞台なんです、浮かび上がってくるのは。あとがきに書いてあったが、倉本さんが戦後10年ほど経ってから、たまたま聴いたラジオドラマ「サイパンからきた列車」では、英霊たちは生き残った家族たちの顔もみることができ、日本の復興をみて、自分たちの犠牲が報われたと思えていたんだろうか。今の日本は「国は豊でも、日本人は貧しい」ですよね。確かに。2011/01/26
すぴん
1
あれは平成に入った頃だったか… 湾岸戦争が始まったという報道に わが子たちにはこんな絵図は見せたくなかったと ひとりテレビの前で歯噛みしたのを思い出した2015/03/22
ジュースの素
1
戦後65年、発展したと皆が思っている日本だが どこかが狂っていると多くを指摘。 本当だ。自殺は減らないし うつ病も増える一方。 進む方向が絶対に間違っている 私もそう思うことが多々。2014/07/16
ちい
1
ドラマを拝見し、原作も読みたくなり…購入。沢山の人にしってほしいです。2011/12/25
yearning for peace
1
太平洋戦争で家族や恋人を守るため命を賭した英霊たちが現代に蘇り、懐旧と後悔を抱きつつ、彼が望むべくもない現代の様相を目の当たりにして深く慨嘆する様を描いた戯曲。ラジオドラマ『サイパンから来た列車』に触発されてモチーフを借りつつ、今後の日本はどうなってしまうのか、著者が最後の警鐘を鳴らしている。話の流れは非常に取っつきにくいですが、言わんとしていることは胃の腑に落ちていると思います。一度手に入れた浮揚はなかなか萎まないという歯がゆさを感じました。2010/08/06