アメリカのパイを買って帰ろう―沖縄58号線の向こうへ

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532166960
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0036

内容説明

憧れのアップルパイ、胸躍るラジオステーション、初めて英語を耳にしたあの日の入道雲…日本兵がいなくなった島に、違う青空が広がる気がした。1945~1972追憶の「アメリカの沖縄」確かに輝いていたあの頃の9つの物語。

目次

序章 輝ける日々
第1章 アメリカのパイを買って帰ろう―Jimmyのアップルパイから沖縄の戦後は始まった
第2章 きみは小さいのでショーリーと呼ばれたんだよ―耳で覚えた英語がやがて沖縄の言葉になるとき
第3章 嘉手納軍人のソウルフード―基地で生活していてもCoCo’sに行けば自由があるのさ
第4章 石の箱でおうちをつくる―島の住宅はコンクリートブロックだらけ
第5章 今宵はポーク缶詰のバラッド―配給されたSPAMの缶詰はやがて母ちゃんの味となる
第6章 さいごの京都ホテル―アメリカ人たちが泊まった歴史的ホテルの終焉
第7章 教会を捨てて戦争にNOと云う―基地を追われた宣教師が見たものは
第8章 芝生のある外人住宅―残された住処をあとに今日もB‐52が飛んでゆく
第9章 幻のラジオステーションKSBK―米軍と闘ったロックンロール放送局

著者等紹介

駒沢敏器[コマザワトシキ]
1961年東京生まれ。雑誌「SWITCH」に創刊直後に参加。その後フリーランスとしてアメリカ文化を中心に取材活動を続け、現在では小説を手がけ始めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

12
日本の敗戦から1972年の本土復帰まで沖縄は日本ではなくアメリカ領土であったのだという事実を再認識させられる沖縄レポート。沖縄の人たちがSPAM缶を好物とするのも、コンクリート・ブロックで家を建てるのも、背景には日本に見捨てられたアメリカ占領時代のつらく哀しい歴史があったのだということ知ることができた。"なんくるないさ~"と明るい沖縄のおじーやおばーたちは過去のことをあまり語らないようだが、沖縄ファンにはこのような沖縄の陰の部分についてもっと知ってほしいと思う。2016/04/28

東京には空がないというけれど・・・

7
沖縄は、日本が戦争に負けてから、米軍の占領下におかれた。1945年から1972年の本土復帰までの間というのは、一体にどんな時代だったのだろうか。米軍の銃剣とブルドーザーによる土地の収奪、暴行と米兵無罪の連続、圧迫感漂う時代だったに違いない。そう、私は思っていた。この本を読むまでは。しかし、そうした暗いイメージ以外にも、日本兵が去った沖縄には、違う青空が広がっていたことがわかった。強く印象に残った章は2つ。第7章教会を捨てて戦争にNOと云う、第9章幻のラジオステーションKSBK。その事実に、驚いた。2021/10/29

アメヲトコ

6
2009年刊。米軍基地で働いていた沖縄人の少年が売り始めたジミーのアップルパイ、嘉手納基地の軍人御用達のココイチ、スラブヤーと呼ばれるコンクリートブロック住宅などなど、沖縄に今も残る「アメリカ世」の文化的名残を追った一冊です。支配者に振り回されながらその文化を独自なかたちで呑み込む沖縄の在り方が描かれます。雑誌「SWITCH」のメンバーだった著者だからか、英語ラジオステーションKSBKの章はとりわけ分厚く思い入れを感じます。私も米軍のいる町で育ったので、著者のスタンス分かるなあ。2024/12/23

tomo

6
沖縄の人々が口を閉ざしていた、日本復帰までの27年間を掘り下げていくと、アメリカと沖縄の【文化的混血児】たちが残した力強いドラマがあった。彼らのドラマが記録として残っているものは少ないが、アメリカと沖縄の文化が織り混ざった独自性のある文化は、住宅や食べ物、音楽に色濃く反映されている。 米軍基地問題は日本人全員の課題であると考えることには変わりはないが、占領国と被占領国の緊張感の中で、お互いの文化の歩み寄りがあったことを知れて良かった。2021/04/04

かみーゆ

4
これはいい本だったなあ。手に入らなくて図書館で借りましたけど、なんとかして手元に置いておきたい一冊てます。アメリカ世の混沌のなかで、したたかに生き抜いてきた方々の物語。最近話題になってる「沖縄島建築」も読みたいと思ってるんだけど、その前に読めて正解だったな。次に沖縄行くときにちょっと景色が違って見えるかもしれないなあと思ったりしました。2020/07/02

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