日本防衛の大戦略―富国強兵からゴルディロックス・コンセンサスまで

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  • サイズ B6判/ページ数 388p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532166953
  • NDC分類 392.1
  • Cコード C0031

内容説明

十七世紀以降、日本はオランダ、イギリス、ドイツ、そしてアメリカと、時代の覇者と同盟関係を結んできた。しかし日本は「無条件に強国に乗っかる」という戦略を選んできたわけではない。本書は、日本の安全保障政策の基盤となる理論と政策実行の際の制約を歴史的に解説し、日本の戦略家がいま創造しようとしている選択肢「ゴルディロックス・コンセンサス」(極端に強硬でも軟弱でもなく、アジアにも欧米にも寄りすぎない大戦略)について検証する。この選択肢が国民的合意を見たとき、日本はアメリカに過度に依存せず、中国の攻撃に脆弱な状態でもなく、安全に存続してゆけるだろう。軍事力と自立を均衡させ、日本の新しい安全保障の選択肢を生み出す日本の大戦略の変貌を、斯界の第一人者が国内・国際政治の歴史を交えて解き明かす。

目次

第1部 歴史的背景(日本の大戦略―イデオロギーの点を結ぶ;平和主義の基盤をつくる)
第2部 流動する世界(変化のための変化;吉田ドクトリンはどこへ;言説)
第3部 脅威と対応(日本の脅威環境;脅威に対応する(そして脅威をつくる)
進化する日本の大戦略)

著者等紹介

サミュエルズ,リチャード・J.[サミュエルズ,リチャードJ.][Samuels,Richard J.]
マサチューセッツ工科大学(MIT)政治学・フォードインターナショナル教授。コルゲート大学政治学部を卒業後、1974年タフツ大学より修士号、80年MIT政治学部より博士号を取得。同大学産業連携プログラム学部顧問、政治学部准教授などを経て、89年政治学部副学部長、92年政治学部学部長。81年よりMIT日本プログラム創設所長、92年よりMIT政治学・フォードインターナショナル教授、2000年よりMIT国際研究センター所長。2001年から2007年まで日米友好基金理事長も務めた

白石隆[シライシタカシ]
1950年愛媛県生まれ。1972年東京大学教養学部卒業後、74年同大学院修士課程修了、86年コーネル大学博士号取得。東京大学東洋文化研究所助手(75‐79年)、東京大学教養学部教養学科国際関係論教授(79‐87年)、コーネル大学アジア研究学科・歴史学科助教授、准教授、教授(87‐97年)、京都大学東南アジア研究センター教授(96‐2005年)、政策研究大学院大学教授・副学長(2005‐2009年)。2007年から日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所長、2009年から政策研究大学院大学客員教授。京都大学名誉教授

中西真雄美[ナカニシマユミ]
大阪外国語大学イタリア語科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sekaisi

4
日本防衛ではなく日本軍備といえないだよな。2019/05/03

Uzundk

1
日本には国家戦略がないと日本のアナリストは語った。アメリカの犬だとか、金券外交だとかの揶揄に対して反論も出来廷内状態では言われても仕方ないかも知れない。がそれは正しくないかも知れない、戦後の戦略家達は、日本がその能力を発揮しなくても済むような方法を実施していた。自立の代わりにアメリカに頼って軍事費を押さえて、自前の軍を持たないことでアジアでの軍事衝突を避け、経済に注力し"経済大国"となれるだけの安定を維持した。なるほど、では中国の戦略が変わった今はどうするべきだろうか?それをこれから考えてい区必要がある。2014/10/21

メルセ・ひすい

1
一応、斯界の第一人者 M・工科大 政治学教授 ☆外交 真の本質捉えていないか・・ 裏は裏として書かずにいる。  ワル??  日本の安全保障政策の基盤となる理論と政策実行の際の制約を歴史的に解説するほか、極端に強硬でも軟弱でもなく、アジアにも欧米にも寄りすぎない戦略「ゴルディロックス・コンセンサス」について検証する。この選択肢が国民合意を見たとき、日本はアメリカに過度に依存せず、中国の攻撃に脆弱な状態でもなく、安全に存続してゆけるだろう。・・・2010/01/06

Norrick

0
「日本は安全保障政策について計画性がない」と考えられがちだが、案外したたかに戦略性を持っているのではないかと感じさせられる。所謂、吉田ドクトリンというものも、吉田茂の発言や行動を検証してみれば重商主義でありながら国防を軽視していなかったことがよく分かる。時代や国際状況に応じて富国強兵、大東亜共栄圏、日米安保と切り替えてきた日本の政策をロジカルに解きほぐす著者の主張は明解で解り易い。冷戦後の国際情勢は、日米安保安乗りから新たな戦略を必要としている。果たして新総理の取る政策は・・。

denken

0
まず最悪を免れよう。次に最善を目指そう。そのために保険をかけながら頑張りましょうってな感じかね。2010/08/15

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