われ巣鴨に出頭せず―近衛文麿と天皇

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  • サイズ A5判/ページ数 435p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532165635
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0031

出版社内容情報

僕の志は知る人ぞ知る──
近衛文麿=「弱い人間」は真実か。敢然と毒をあおぎ巣鴨行きを拒絶した高貴の血。近衛が命を捨てて守ったものとは何だったのか。戦後60年を経て、歴史の重い蓋がいま開き始める。一挙書き下ろし770枚!

【目次】
第1章 茶色の小瓶
第2章 文麿誕生と明治の開明
第3章 鬱勃たる青春
第4章 西欧列強と大正外交の渦
第5章 昭和動乱――ナショナリズムの勃興――
第6章 日華和平の困難――第一次近衛内閣へ――
第7章 東亜の混迷と三国同盟――第一次から第二次近衛内閣――
第8章 日米交渉破綻――第二次から第三次近衛内閣――
第9章 東條英機と木戸幸一
第10章 情報天皇に達せず
第11章 決死の上奏文
第12章 ハーバート・ノーマンと都留重人
終章 貴種の終戦
近衛家関連家系図
木戸家関連家系図
あとがき
参考文献

内容説明

新発見の外交文書などを通して、葬り去られた昭和史の棺の重い蓋が、いま開かれる。一挙書き下ろし770枚。敢然と毒をあおぎ「米国の法廷」で裁かれることを拒絶した華族筆頭の矜持。「弱い人」が命を捨てて守ったものとは…僕の志は知る人ぞ知る。

目次

茶色の小瓶
文麿誕生と明治の開明
鬱勃たる青春
西欧列強と大正外交の渦
昭和動乱―ナショナリズムの勃興
日華和平の困難―第一次近衛内閣へ
東亜の混迷と三国同盟―第一次から第二次近衛内閣
日米交渉破綻―第二次から第三次近衛内閣
東條英機と木戸幸一
情報天皇に達せず
決死の上奏文
ハーバート・ノーマンと都留重人
貴種の終戦

著者等紹介

工藤美代子[クドウミヨコ]
1950年東京生まれ。チェコスロバキアのカレル大学に留学後、カナダのコロンビア・カレッジを卒業。93年帰国。『工藤写真館の昭和』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

20
運命、巡り合わせ。リーダーの資質と時勢の影響。近衛氏と木戸氏の”生き様”の対比。近衛氏と松岡氏の”大局観”の対比。これら2つの対比が印象深い。前者は「大義」。潔さと狡賢さ。生き方の正解を問うのは酷な気もする。後者は「国益」。私欲とプライドの有無が、大局観を鈍らせる。近衛氏の首相としてのリーダーシップと、成果の判断は難しい。時勢を考慮すると最善を尽くしたとも言えるが、時勢を踏まえても結果を求められるのが首相。当時、器を持った人材欠如も混乱の遠因かもしれない・・・。2013/04/28

すみす

1
作者の作品を読みたくなり購読。力作だがキレはない。日華事変から大東亜戦争、終戦という正に日本の激動期における中枢の腐り方の描写が酷い。自らの利益の最大化のみを追求する中での意地と確執、無責任極まりなくすぐに職務を投げ出す姿勢等、これまでの定説ではあるのだろうけど、負けの原因を安直に求めすぎた結果のように感じ受け容れ難い。理論的に説明できない場面が多く、作者の私感や史観、イデオロギーが相当入っている印象もあり。本書読了後、あまりの無念さ故、靖国神社に参拝してきました。2020/09/20

mazda

1
中国との対話の機会を自ら怖し、政権がうまくいかないと投げ捨て、挙句、GHQに逮捕されそうになると自殺と、どこを見ても責任を全うしたことのない人だと思う。本来であれば、広田ではなく彼が戦争犯罪者として罰せらるべきだったはず。孫も政権末期に投げ捨てしてるんだから、血は争えない…。2012/04/15

猫草

1
「近衛は弱いね」という昭和天皇の言葉の意味深さ。天皇と近衛・東條などの関係など興味津津で読み進んだ。近衛の名誉挽回が狙いなのだろうが、冷静に見ても近衛文麿の首相としての能力は弱い。東京裁判を拒否しての自殺ではあるが、彼の中には公家としてのジレンマを抱えたもっと内省的な自殺指向があったような気がする。2011/03/16

ささ

0
■近衛文麿に関する本を読むのは、これが初めてです。今まで抱いていた印象とは、大きく違うものでしたが、これもまた歴史の側面でしかないので、多方面から人物評を知る必要があると思います。 家族にとって唐突な自殺だっただろうと思っていましたが、そうではなかった。 かねてより危惧していた共産主義に、追いつめられる結果になるとは……。 それにしても、利害関係者が、同じ屋根の下で暮らしているのは、いかがなものかと。これではなにかしらの密約があったと思われてもおかしくはない。対する近衛が不憫に思えました。2013/02/13

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