出版社内容情報
圧倒的な強さを誇る武田薬品。秘密の一端は膨大な特許料収入が物語る。研究が企業の明日を左右するのだ。中央研究所長、社長、会長へと進み「世界のタケダ」への推進役となった著者が、新薬開発の真の姿を明かす。
■目次
序 早石修
第1章 アルツハイマー病の治療薬を求めて
アルツハイマー病って何だろう
家族の悲劇と社会の負担
タイプTの研究者の存在
ビー・エフ研究所設立
MRI開発の先駆者
アルツハイマー病解明に向けて
第2章 化学との出会い
醤油家業の息子
化学の授業
醤油と化学
有明海に父を訪ねる
念願の有機合成
第3章 武田薬品工業での最初の仕事
入社試験
最初のテーマ「葉酸の合成」
ひらめいたアイディア
工業化に向けて
実験中の事故
第4章 二十世紀は薬の時代
薬の真価
二十世紀初期の薬
一九四〇年代の薬
一九五〇年代の薬
一九六〇年代の薬
一九七〇年代の薬
一九八〇年代の薬
一九九〇年代の薬
第5章 ステロイド医薬の黎明期
衝撃的なニュース
ヤマイモ採りと研究材料の採集
イワチドリ
第6章 海からの贈り物、農薬「パダン」
第7章 NIHで見たアメリカの研究と日米の落差
ハワイ経由アメリカへ
海綿から分離した物質の構造解析と合成
ゴードン・カンファレンスに参加
デュポン社中央研究所の見学
ウイットコップ先生とゴーギャンの言葉
「経験は買ってでも行え!」
桂、翔ぶんだ!
第8章 抗癌薬「クロモマイシン」の構造決定
第9章 「アリナミン」とシイタケの匂い成分
第10章 研究者N君の思い出と「逆転の発想」
第11章 国際共同研究が生んだ前立腺癌治療薬
第12章 糖尿病薬「ベイスン」
第13章 ペニシリンに代わる抗生物質セファロスポリン
プロジェクト・リーダーとして
奢りと油断---二年間の空白
運命の不思議な絆
第14章 成人型糖尿病薬「アクトス」の開発
日本オリジナルの大型新薬が登場
実験モデル動物づくりの気風
世界初となれなかった原因
第15章 おくれをとった降圧剤、アンジオテンシンII 拮抗薬
第16章 アラキドン酸カスケードがもたらした抗喘息薬
第17章 研究者から社長へ
第18章 ベンチャー企業にみる研究と経営
第19章 研究者と会社員は違う
第20章 企業ガバナンス
あとがき
内容説明
武田薬品はなぜ強いのか?数百億円の年間特許料収入を稼ぎだす研究陣。世界企業タケダの力の源泉は研究開発にある。元社長が語りあかす“くすり開発の現代史”。
目次
アルツハイマー病の治療薬を求めて
化学との出会い
武田薬品工業での最初の仕事
二十世紀は薬の世紀
ステロイド医薬の黎明期
海からの贈り物、農薬「パダン」
NIHで見たアメリカの研究と日米の落差
抗癌薬「クロモマイシン」の構造決定
「アリナミン」とシイタケの匂い成分
研究者N君の思い出と「逆転の発想」〔ほか〕