出版社内容情報
文明開化とともに日本に輸入された「恋愛」は一大ブームを巻き起こした。「男女交際」「玉の輿志向」「不倫」---様々な現代の恋愛パターンも明治に生まれた。文学作品を題材に、日本人の恋愛の起源を探る。
■目次
1 「恋愛」の誕生
『当世書生気質』 ------ 新しい「ラアブ」の理想
『浮雲』 ------ 男女交際事始
『妹と背かがみ』 ------ 自由結婚の夢
『二人比丘尼色懺悔』 ------ 男子の「貞操」
『三人妻』 ------ 好色の美学の名残
2 明治の夫婦愛ブーム
『十三夜』 ------ 強迫結婚の悲劇
『不如帰』 ------ うるわしき夫婦愛
『多情多恨』 ------ つきせぬ亡妻への思い
『金色夜叉』 ------ 愛よりも玉の輿
3 したたかな女たち
『あだ花』 ------ 夫婦愛への無頓着
『空薫』 ------ 打算的結婚の肯定
『離鴛鴦』 ------ 嫉妬の深み
『草枕』 ------ 「色」への回帰
4 つくられた理想の恋愛像
『野菊の墓』 ------ 従姉弟同士の思慕
『たけくらべ』 ------ 幼なじみの悲恋
『稚児桜』 ------ 同級生カップルのハッピーエンド
『舞姫』 ------ 異国で花開く恋愛
『うたかたの記』 ------ プラトニック・ラヴの美化
『文づかひ』 ------ 接吻にこめる恋心
5 恋愛へのあくなき憧れ
『こわれ指輪』 ------ 理想の結婚を求めて
『五大堂』 ------ お嬢さんの心中事件
『外科室』 ------ 死を賭した人妻の恋
『通夜物語』 ------ 自己犠牲の美学
『婦系図』 ------ 芸者の純愛
6 恋愛できない男たち
『魔風恋風』 ------ 女学生の「ラブ」
『青春』 ------ 詩的恋愛の限界
『青年』 ------ 明治青年の「恋愛」願望
『平凡』 ------ プライドと恋愛願望のはざまで
7 恋愛への絶望と希望
『門』 ------ 夫婦であることの孤独
『明暗』 ------ 自由ゆえの不自由
『炮烙の刑』 ------ ときめきの追究
『にごりえ』 ------ 愛の残酷と恨み
『あきらめ』 ------ 女性同士の絆と救い
『赤坂』 ------ 「潤い」としての愛
おわりに ------ 「恋愛」というまぼろし
作品一覧
あとがき
内容説明
「恋愛」信仰はなぜ生まれたか。明治人が憧れ、熱狂した新しい男女関係、「恋愛」。森鴎外、樋口一葉、泉鏡花、夏目漱石など、さまざまな文学作品から日本人の恋愛のルーツを探る。
目次
1 「恋愛」の誕生
2 明治の夫婦愛ブーム
3 したたかな女たち
4 つくられた理想の恋愛像
5 恋愛へのあくなき憧れ
6 恋愛できない男たち
7 恋愛への絶望と希望
感想・レビュー
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澄川石狩掾
わす