内容説明
中国陶磁の名宝を史上最高額で競り落とした美術商不言堂初代の半生記。
目次
「桃李不言」
生い立ち
画家変じて奉公へ
暁の脱走
行ってくるぞと勇ましく
終戦後の苦戦
政治への目覚めと一国社会主義
ニセ名刀顛末記
骨董に手を染める
お江戸進出〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐっちー
17
奈良国立博物館に寄贈された坂本コレクション、その殷周銅器の数々に吃驚した記憶がある。著者は90歳を超えた今でも古美術界の伝説。海産物の店に丁稚奉公に上がってから苦労しながら商売を起こした努力の人。度胸とカンを頼りに猪突する姿には頭が下がる。またご母堂様の教えははっとする名言。単なるサクセスストーリーだったら途中から読まなかっただろう。数多の失敗談や、手に汗握る勝負が軽妙に語られてあっと言う間に読み終わった。なかなか敷居の高い古美術の世界がほんの少しだけ垣間見できた。2015/09/30
-
- 和書
- さきちゃんのくつ