内容説明
今日のロシアと酷似する帝政末期ロシア。怒濤の時代を生きたニコライ2世は、けっして暗愚でも卑小な君主でもなかった。帝国の命運を一身に背負った悲劇の皇帝の生涯とその時代を鮮やかに描く、歴史評伝の傑作。通説を覆す全く新たな皇帝像。
目次
第1章 受け継いだもの
第2章 少年時代、青年時代
第3章 皇帝とその妻
第4章 ロシアの統治
第5章 専制政治
第6章 革命の時代
第7章 立憲君主?
第8章 戦争
第9章 革命後
第10章 帝政末期と今日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sekaisi
4
国民は殺すほど皇帝を憎んでいなかったんだが。2019/04/06
富士さん
2
再読。皇帝個人がどういう社会関係の中で生きていたかを通じてロシア帝国崩壊を説明しようという作品。社会学的、経営学的な示唆に富んだ名著だと思います。制度的に見た皇帝は無限の権力を行使できても、それを実際に行う段になるとひとりの人間を超えません。部下とどれだけ親しいかで命令できる内容や上がってくる情報が違い、取り組むべき仕事を峻別しないと無限にやる事が溜まる。そこのマネージメントをうまくできなかったことがこの人の悪評に繋がっているようです。でもこの問題、明の皇帝たちがぶち当たっていた問題なんじゃないですかね。2015/04/21