コーポレートブランド経営―個性が生み出す競争優位

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784532148188
  • NDC分類 335
  • Cコード C3034

出版社内容情報

■目次

第1章 日本企業七つの大罪

  1 考え抜くことをやめたトップ
    「敗戦」処理は終わっていない/大罪で失われた楽園/ボール丸投げ
    症候群/享受できなかったガバナンスの配当

   2 ミドル意識に埋没したミドル
    順境で役割を見失ったミドル/人的含み損/シリコンバレーにミドルは
    いない

   3 企業価値という発想の欠如
     経営環境と不適合を起こした業績指標/バランスシートの軽視/
     EVAで「景色がまるで違って見える」

   4 軽視されたグループ連結経営
     歪んだ資源配分/親会社中心主義の弊害/温情的な関係会社のト
     ップ人事/合併と分社化――二つの対照的な企業現象を成功に結び
     つけられるか

   5 ポケットのなかにある経営理念
     理念はどこにあるのか/希薄化の原因は八〇年代の成功/「なぜ」
     を五回問うてみる

   6 死角だったもう一つのイノベーション
     技術力が高く、収益力が低い日本企業/インテルのビジネスモデル
     革新/「コスト削減ローリング」現象の結末/市場は何を評価してい
     るのか/産業融合の衝撃

   7 アカウンタブルでない日本企業
     投資家と経営者の「情報の非対称性」/頻発した「沈黙の螺旋」現象
     /IRの必要性

   8 「真の利益」を取り戻せ
     多元的資本主義からグローバル資本主義へ/企業価値を創造しな
     い企業は市場から淘汰される/時価総額で見た日米の圧倒的格差
     /資本コストを組み込んだ経営/「真の利益」とは何か/EVAは日
     本に根づくか/IRの戦略的意義/プライドに大事な資金を預けられ
     ない/株主を意識せよ、でも・・・

第2章 コーポレートブランド経営革命

   1 ゼロサム・ゲームとの決別
     タコ壷型日米二極論/ヨーロッパ企業から学ぶ/連結環としてのコ
     ーポレートブランド

   2 コーポレートブランド経営のメカニズム
     スタバ・ラバーズは広告塔/コーポレートブランドで深まる顧客との
     関係/一〇年間安心して投資できる銘柄になる/長期安定的なキ
     ャッシュフローを約束する/デルにとって一番怖いライバル/夢の
     共有がブランドを輝かせる

   3 ビジョンを象徴するコーポレートブランド
     理想像とイメージのはざまで進化する/見えないものを見る能力/
     ブランドを支える理念と行動の一貫性

   4 サムライ型経営モデルとは
     サムライ型とアーミー型/従業員尊重の企業文化/ビジョンを忘れ
     たまま「サムライ型」を放棄する危険性/従業員を尊重の企業文化
     /似て非なる「終身雇用」と「サムライ型経営」

   5 トップ主導でコーポレートブランド経営を
     考え抜き、語り続ける/まずは従業員に発信せよ/ノキアの経営
     ビジョン教育/IRとブランド価値

   6 ビジョナリーブランディングの実現に向けて
     一貫して細部にこだわり、「本気」を伝える/ビジョンを実現できる
     環境を提供する/日本企業の伝統「のれん」を染め直す/「連結」
     の思想

第3章 ブランド価値と企業価値の連鎖

   1 顧客起点による秩序破壊
     パソコン業界の秩序破壊/文具業界の秩序破壊/顧客満足を
     ブランド価値向上につなげるための三原則/原則1 顧客ターゲ
     ットを絞り込む/原則2 顧客とコミュニケーションをとる/苦情の
     氷山/最終顧客まで意識したコミュニケーション/原則3 イメー
     ジと理想像のギャップを埋める/伝える努力の欠如/顧客のため
     のテクノロジー

   2 組織的ブランドマネジメント
     ソニーのブランドマネジメント/資生堂のマルチブランド戦略/
     グローバルなブランド管理/ブランドマネジメントは厳格に、そし
     て曖昧に

   3 グループ連結経営におけるブランドマネジメント
     グループの求心力/ブランドに対するコスト意識の浸透

   4 ブランド価値を測る
     測定手法の多様性と限界/企業外部からのブランド価値の測定
     /インターブランド・アプローチ

   5 企業価値はブランド価値を反映するか
     企業評価にブランド価値情報は有用か/アナリストが見るブラ
     ンド価値/企業価値をベースとしたブランド価値の測定/ブラン
     ド価値とM&A

   6 バランスシート変革の予兆
     財務報告から事業報告へ/現行のバランスシートはもはやア
     ンティーク/無形資産の価値を測る――バランススコアカード
     /スカンディアの知的ナビゲーター

第4章 ビジネスモデル革新

   1 市場シェアから利益シェアへ
     利益が上がらないシェア・ナンバーワン企業/利益シェア中心
     経営への転換/自動車産業に見る市場シェア・利益シェアと株
     式時価総額の関係/なぜ市場シェアと利益シェアは乖離するのか

   2 ビジネスモデルと企業価値
     ビジネスモデルを評価する株式市場/自動車産業の利益マッ
     プ/トヨタのビジネスモデル/クルマをネットワーク時代の移動
     端末に/ITSのインフラとなる情報通信事業/本業における試
     み/ビジネスモデルと企業評価/ブランドによるキャッシュフロ
     ーの押上げ効果

   3 ビジネスモデル革新の三ステップ
     技術優位・ビジネスモデル劣位の日本企業/ビジネスモデルを
     競争力につなげたアメリカ企業/ビジネスモデルを意識した日
     本企業――メガチップス/ゲーム業界におけるビジネスモデル
     競争/ビジネスモデル革新の三ステップ

   4 ステップ1 環境変化をすばやくとらえる
     アマゾンの成功/スマイルカーブ現象/ソニーの利益マップ
     /バリューチェーンの崩壊

   5 ステップ2 最適な事業展開パターンはどれか
     利益多層化モデル/ベース据え付けモデル/プラットフォーム
     創造モデル/コア競争力モデル/チャネル革新モデル/バリュ
     ーチェーン特化モデル

   6 ステップ3 何が利益を永続化させるか
     利益永続因子の制御/顧客とのしなやかな関係性/ビジネス
     モデル特許/ビジネスモデル特許への日本の取り組み

   7 ビジネスモデルとブランド戦略
     ビジネスモデルによるブランドコンテンツのシフト/ブランドとビジ
     ネスモデルの相互作用

第5章 ネット戦略の破壊力と競争優位性

   1 インターネットの破壊力
     デジタル時代の巨大隕石/巨大隕石による三つの破壊/ティッ
     ピングポイント/両刃の剣

   2 ネット戦略の競争優位性
     証券業界におけるチャールズ・シュワブの躍進/新たなオーク
     ションのかたちを生み出したイーベイ/先へ先へとビジネスモデ
     ルを革新する楽天市場/弱小中堅からネット証券のリーダ-へ
     ――松井証券/似て非なる「新ビジネス」と「新ビジネスモデル」
     /プロセス革新に乗り出した大企業

   3 ネットビジネスモデルが有利なのは新興企業か、既存企業か
     既存資産との衝突/既存企業の逆襲/既存コンテンツとインタ
     ーネットの融合/コンテンツの蓄積がネット戦略の成否を握る
     ――リクナビ/ネットを通じたビジネスモデルの創造――フォード
     /自動車産業の二つの構造変化/自動車会社から消費者サー
     ビス会社へ

   4 ビジネスモデルとプロセスを融合させる
     コンピューター市場におけるデルの躍進/デルの長期関係性に
     基づくSCM/プレミアページ/アマゾンのSCM/アマゾンの個
     客化モデル/ビジネスモデル再構築の場としての社内ベンチャー
     ――アスクル/これまでの文具業界のルール/社会最適のビジ
     ネスモデル/アスクルの四つの成功要因

   5 ネットビジネスの落とし穴
     模倣が容易なビジネスモデル/顧客志向の不徹底――オンラ
     イングローサリー/ネットブランド化への取り組みの遅れ

第6章 個性を支える自己変革

   1 人的資産価値を高める二つの要素――活力と結力
     問題の根源は「人」にある/知的資本価値を測定する/個の「活
     力」を高める/活力の源としての個人の尊厳/「結力」を高める/
     ABBに見る結力/GEにみる活力と結力/従業員の多様性を育む

   2 自己認識と成果のループ
     成果に思い切って報いる/報酬以外の報い方/客観的自己認識
     /アカウンタビリティーとコンピテンシー/ポジティブマインドを促
     す仕組み/偉大なる失敗許容会社――3M/選択の自由と透明
     な評価システム

   3 ネット時代のビジネスリーダー
     「ワーク・オン・ザ・ネット」/企業の魅力をさらに高める/プロセス
     革新型マネジャー/ビジネスモデル創造型マネジャー/だれがビ
     ジネスモデルを作るのか/「仕事が人間をつくる」の限界/価値創
     造型リーダー

   4 新世紀のセルフマネジメント
     セルフマネジメントの二段階/ブランドを追い風に羽ばたく/「快
     い窒息」との決別/過度の成果主義の危険性/二一世紀に変わ
     るものと変わらないもの

索引

内容説明

ソニー、アスクル、デル、アマゾン…強烈な個性と競争優位を築いた企業に、資本も人も集中する。革新的な「ビジネスモデル」を考え抜き、強い企業ブランドを確立せよ。株主、顧客、従業員を束ねる、新世紀の経営モデル。

目次

第1章 日本企業七つの大罪
第2章 コーポレートブランド経営革命
第3章 ブランド価値と企業価値の連鎖
第4章 ビジネスモデル革新
第5章 ネット戦略の破壊力と競争優位性
第6章 個性を支える自己変革

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

9
著者は会計学の専門家ですが、最近は企業価値やこの本で書かれている経営についての著作が多くなっています。この本は理論を中心にされていますが、この本と企業事例を紹介した実践版があるので併用して読むと理解が早まると思われます。2014/08/22

波 環

4
20年前の本なので、出てくる会社の栄枯盛衰がおもしろい 企業ブランドの原理原則は変わってない感じなのかなあ2021/05/03

長南 徹

1
会社の研修で講師で来ていた方の著書だったので、読んでみました。企業の価値は、色々ありますが、数字に表れない人間臭さや魅力溢れた人材が多いほど、その企業のブランドは高まっていくのだろう。本質は、日々の業務を8割で終わらして、2割の時間で、社会の流れを読んで、どういうことをやるのか?を考えるのが大事だと思っている。なかなかできていないけどね。2014/06/02

yasu938

1
今後ブランディングを担当するにあたり一読。経営の大局、本質をつかんでいると感じた。実務者としては、どう具体化していくかが課題。2013/08/05

Sato1219

1
この本で指摘される「日本企業が犯した七つの大罪」とは、まともな企業にとっては、いずれも自明な事に思えるが、問題は、企業をまともにならしめる規範が揺らいでいるからだろう。経営の問題というより、社会の問題なのかもしれない。①トップマネジメントが考え抜く事をやめた。②ミドルが役割を放棄した。③企業価値に対する意識が希薄だった。④親会社に経営資源を傾斜配分しすぎた。⑤経営理念に対するこだわりをなくした。⑥ビジネスモデルの革新を怠った。⑦アカウンタビリティがなかった。2011/02/13

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