出版社内容情報
■目次
第1章 日本企業七つの大罪
1 考え抜くことをやめたトップ
「敗戦」処理は終わっていない/大罪で失われた楽園/ボール丸投げ
症候群/享受できなかったガバナンスの配当
2 ミドル意識に埋没したミドル
順境で役割を見失ったミドル/人的含み損/シリコンバレーにミドルは
いない
3 企業価値という発想の欠如
経営環境と不適合を起こした業績指標/バランスシートの軽視/
EVAで「景色がまるで違って見える」
4 軽視されたグループ連結経営
歪んだ資源配分/親会社中心主義の弊害/温情的な関係会社のト
ップ人事/合併と分社化――二つの対照的な企業現象を成功に結び
つけられるか
5 ポケットのなかにある経営理念
理念はどこにあるのか/希薄化の原因は八〇年代の成功/「なぜ」
を五回問うてみる
6 死角だったもう一つのイノベーション
技術力が高く、収益力が低い日本企業/インテルのビジネスモデル
革新/「コスト削減ローリング」現象の結末/市場は何を評価してい
るのか/産業融合の衝撃
7 アカウンタブルでない日本企業
投資家と経営者の「情報の非対称性」/頻発した「沈黙の螺旋」現象
/IRの必要性
8 「真の利益」を取り戻せ
多元的資本主義からグローバル資本主義へ/企業価値を創造しな
い企業は市場から淘汰される/時価総額で見た日米の圧倒的格差
/資本コストを組み込んだ経営/「真の利益」とは何か/EVAは日
本に根づくか/IRの戦略的意義/プライドに大事な資金を預けられ
ない/株主を意識せよ、でも・・・
第2章 コーポレートブランド経営革命
1 ゼロサム・ゲームとの決別
タコ壷型日米二極論/ヨーロッパ企業から学ぶ/連結環としてのコ
ーポレートブランド
2 コーポレートブランド経営のメカニズム
スタバ・ラバーズは広告塔/コーポレートブランドで深まる顧客との
関係/一〇年間安心して投資できる銘柄になる/長期安定的なキ
ャッシュフローを約束する/デルにとって一番怖いライバル/夢の
共有がブランドを輝かせる
3 ビジョンを象徴するコーポレートブランド
理想像とイメージのはざまで進化する/見えないものを見る能力/
ブランドを支える理念と行動の一貫性
4 サムライ型経営モデルとは
サムライ型とアーミー型/従業員尊重の企業文化/ビジョンを忘れ
たまま「サムライ型」を放棄する危険性/従業員を尊重の企業文化
/似て非なる「終身雇用」と「サムライ型経営」
5 トップ主導でコーポレートブランド経営を
考え抜き、語り続ける/まずは従業員に発信せよ/ノキアの経営
ビジョン教育/IRとブランド価値
6 ビジョナリーブランディングの実現に向けて
一貫して細部にこだわり、「本気」を伝える/ビジョンを実現できる
環境を提供する/日本企業の伝統「のれん」を染め直す/「連結」
の思想
第3章 ブランド価値と企業価値の連鎖
1 顧客起点による秩序破壊
パソコン業界の秩序破壊/文具業界の秩序破壊/顧客満足を
ブランド価値向上につなげるための三原則/原則1 顧客ターゲ
ットを絞り込む/原則2 顧客とコミュニケーションをとる/苦情の
氷山/最終顧客まで意識したコミュニケーション/原則3 イメー
ジと理想像のギャップを埋める/伝える努力の欠如/顧客のため
のテクノロジー
2 組織的ブランドマネジメント
ソニーのブランドマネジメント/資生堂のマルチブランド戦略/
グローバルなブランド管理/ブランドマネジメントは厳格に、そし
て曖昧に
3 グループ連結経営におけるブランドマネジメント
グループの求心力/ブランドに対するコスト意識の浸透
4 ブランド価値を測る
測定手法の多様性と限界/企業外部からのブランド価値の測定
/インターブランド・アプローチ
5 企業価値はブランド価値を反映するか
企業評価にブランド価値情報は有用か/アナリストが見るブラ
ンド価値/企業価値をベースとしたブランド価値の測定/ブラン
ド価値とM&A
6 バランスシート変革の予兆
財務報告から事業報告へ/現行のバランスシートはもはやア
ンティーク/無形資産の価値を測る――バランススコアカード
/スカンディアの知的ナビゲーター
第4章 ビジネスモデル革新
1 市場シェアから利益シェアへ
利益が上がらないシェア・ナンバーワン企業/利益シェア中心
経営への転換/自動車産業に見る市場シェア・利益シェアと株
式時価総額の関係/なぜ市場シェアと利益シェアは乖離するのか
2 ビジネスモデルと企業価値
ビジネスモデルを評価する株式市場/自動車産業の利益マッ
プ/トヨタのビジネスモデル/クルマをネットワーク時代の移動
端末に/ITSのインフラとなる情報通信事業/本業における試
み/ビジネスモデルと企業評価/ブランドによるキャッシュフロ
ーの押上げ効果
3 ビジネスモデル革新の三ステップ
技術優位・ビジネスモデル劣位の日本企業/ビジネスモデルを
競争力につなげたアメリカ企業/ビジネスモデルを意識した日
本企業――メガチップス/ゲーム業界におけるビジネスモデル
競争/ビジネスモデル革新の三ステップ
4 ステップ1 環境変化をすばやくとらえる
アマゾンの成功/スマイルカーブ現象/ソニーの利益マップ
/バリューチェーンの崩壊
5 ステップ2 最適な事業展開パターンはどれか
利益多層化モデル/ベース据え付けモデル/プラットフォーム
創造モデル/コア競争力モデル/チャネル革新モデル/バリュ
ーチェーン特化モデル
6 ステップ3 何が利益を永続化させるか
利益永続因子の制御/顧客とのしなやかな関係性/ビジネス
モデル特許/ビジネスモデル特許への日本の取り組み
7 ビジネスモデルとブランド戦略
ビジネスモデルによるブランドコンテンツのシフト/ブランドとビジ
ネスモデルの相互作用
第5章 ネット戦略の破壊力と競争優位性
1 インターネットの破壊力
デジタル時代の巨大隕石/巨大隕石による三つの破壊/ティッ
ピングポイント/両刃の剣
2 ネット戦略の競争優位性
証券業界におけるチャールズ・シュワブの躍進/新たなオーク
ションのかたちを生み出したイーベイ/先へ先へとビジネスモデ
ルを革新する楽天市場/弱小中堅からネット証券のリーダ-へ
――松井証券/似て非なる「新ビジネス」と「新ビジネスモデル」
/プロセス革新に乗り出した大企業
3 ネットビジネスモデルが有利なのは新興企業か、既存企業か
既存資産との衝突/既存企業の逆襲/既存コンテンツとインタ
ーネットの融合/コンテンツの蓄積がネット戦略の成否を握る
――リクナビ/ネットを通じたビジネスモデルの創造――フォード
/自動車産業の二つの構造変化/自動車会社から消費者サー
ビス会社へ
4 ビジネスモデルとプロセスを融合させる
コンピューター市場におけるデルの躍進/デルの長期関係性に
基づくSCM/プレミアページ/アマゾンのSCM/アマゾンの個
客化モデル/ビジネスモデル再構築の場としての社内ベンチャー
――アスクル/これまでの文具業界のルール/社会最適のビジ
ネスモデル/アスクルの四つの成功要因
5 ネットビジネスの落とし穴
模倣が容易なビジネスモデル/顧客志向の不徹底――オンラ
イングローサリー/ネットブランド化への取り組みの遅れ
第6章 個性を支える自己変革
1 人的資産価値を高める二つの要素――活力と結力
問題の根源は「人」にある/知的資本価値を測定する/個の「活
力」を高める/活力の源としての個人の尊厳/「結力」を高める/
ABBに見る結力/GEにみる活力と結力/従業員の多様性を育む
2 自己認識と成果のループ
成果に思い切って報いる/報酬以外の報い方/客観的自己認識
/アカウンタビリティーとコンピテンシー/ポジティブマインドを促
す仕組み/偉大なる失敗許容会社――3M/選択の自由と透明
な評価システム
3 ネット時代のビジネスリーダー
「ワーク・オン・ザ・ネット」/企業の魅力をさらに高める/プロセス
革新型マネジャー/ビジネスモデル創造型マネジャー/だれがビ
ジネスモデルを作るのか/「仕事が人間をつくる」の限界/価値創
造型リーダー
4 新世紀のセルフマネジメント
セルフマネジメントの二段階/ブランドを追い風に羽ばたく/「快
い窒息」との決別/過度の成果主義の危険性/二一世紀に変わ
るものと変わらないもの
索引
内容説明
ソニー、アスクル、デル、アマゾン…強烈な個性と競争優位を築いた企業に、資本も人も集中する。革新的な「ビジネスモデル」を考え抜き、強い企業ブランドを確立せよ。株主、顧客、従業員を束ねる、新世紀の経営モデル。
目次
第1章 日本企業七つの大罪
第2章 コーポレートブランド経営革命
第3章 ブランド価値と企業価値の連鎖
第4章 ビジネスモデル革新
第5章 ネット戦略の破壊力と競争優位性
第6章 個性を支える自己変革
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Sato1219