出版社内容情報
ゆるみきった経営を見直し、IT革命の波に乗りデジタル人本主義経営を構築せよ! 過度の設備投資、戦略なき事業ポートフォリオ、人本主義のオーバーランなどの問題点を解明し、「賃金を下げてでも雇用を守るべき」などの提言を行う意欲作。
序 章 カネとヒトの複合不況
97年11月、魔の月曜日/日本人はお化けを見た/
カネとヒトの複合不況/マネジメントの3つの欠如/
日本型、アジア型への不信/人本主義はどこへ行く/
長いトンネルの向こうに
第1章 資本主義の逆襲?
異常な3年間/需要総崩れの98年/消費者の不安/
企業の不安と98年秋の反転/6年サイクルで危機が日本を襲う/
重要なものの「値段」が一気に高くなる/金融に撃たれた日本/
投資偏重になっていた日本企業/価格だけが理由ではない
80年代に進んだ、ヒトと投資のバランスの狂い
資本の使いすぎ/経営のゆるみ/見習うべきは70年代の日本企業
第2章 人本主義は死なない
制度・慣行=環境X原理/成立しなくなった方程式、意図せざる原理変更
原理を考え、環境とのかけ算をする/グローバル・スタンダードへの違和感
当たり前スタンダードのすすめ/人本主義という日本の原理
従業員主権--企業は誰のものか/
分散シェアリング--組織をどう編成するか
組織的市場--どんな取引関係にするか
ヒトのネットワークのよさ、二重がさねの弱さ
人本主義の誤解とオーバーラン/日本社会の高齢化/IT革命
東アジアの発展/環境変化がもたらす、未来からの波
第3章 戦略なき投資の悲劇
あぶり出された資本効率の悪さ/しかし、見事な70年代/
自己資本は誰のものか/経常付加価値こそ企業の生み出すもの
大きく悪化した付加価値の生産効率/付加価値の分配、内部保留の意味
なぜ、資本効率がこれほど悪化したか/
横並び投資、再投入投資、そして重複投資/成金のゆるみ/
従業員主権のオーバーラン/経営能力の不足/誰のための資本効率か
ROE偏重への警告、ヒトと資本のバランスへの警告/
ヒトの智恵を大切に/事業のリストラは必至
第4章 事業地図の塗り替えとしてのリストラ
さまざまなリストラ/誰のための事業リストラか/
社会的コンセンサスが生まれつつある/事業地図の塗り替えが本質/
事業移管、事業統合、企業合併、事業独立/なぜ、地図の塗り替えが必至か/
規模の経済、範囲の経済、重複投資のムダの排除/
マネジメントバイアウトとのれん分け創業/
なぜ、リストラ対象事業が増えたのか/新事業体の事業合理性と組織合理性/
人本主義的なリストラプロセス/商法・会計の制度改革が後押し/
株式会社制度の柔軟性
第5章 雇用を「守る」、雇用を生み出す
外部・内部・中間の3つの「労働市場」/雇用の循環的調整でも同じ3つの型/
雇用を「守る」/失業率の日米逆転/長いトレンドの中では、それほど厳しくない/
終身一企業就業から長期雇用保証へ/中間労働市場の人本主義的原理/
しかし、賃下げはありうる/
なぜ、企業にとって雇用を「守る」ことが合理的か/
長期雇用保証の社会的効果/雇用を生み出すのは、企業/
自由を求める流動化、させられる流動化/泣いて馬謖を斬る
第6章 若い力を活かす人事
管理職インフレの弊害/年功序列は、もう保たない/
若いアメリカ、年寄りの日本/悪平等を廃する/
上げるべき人を上げる/能力主義・成果主義のむつかしさ/
日本型人事のオーバーランこそ本質/若い力を活かすことを優先すべき/
「厳しい」人本主義の時代へ/エリートの育成
第7章 IT革命こそ日本のチャンス
3つの未来からの波/IT革命に遅れた日本/日本語の壁/
通信、ベンチャー、組織効率も遅れの理由/
消えていく遅れの理由、新しい技術の動き/実験の国アメリカ、育成の国日本/
IT革命が生み出す新しい産業/インターネットが流通と商業を変える/
新しいビジネスモデル、新しい「市場」業/物流と資金決済が鍵/
系列は崩壊しない、しかし厳しくなる/中小企業の時代が来る/
組織は蓄積する、市場は利用する/宅配便・コンビニ・携帯電話・ゲーム/
カメの日本のデジタル人本主義
第8章 東アジアとの分業が日本を助ける
ニッポンが超カワイイ/日本企業にとって大切な東アジア/
東アジア危機からの急回復/アジアの自信、日本の悲観/
事故疑問不況から抜け出すべき/東アジアとの多様な分業/
日本の幸運/日本産業の第三の波/空洞化はしない/
総合安全保障としての国際分業/東アジアで人本主義経営を/
日本列島の三つの顔
第9章 シニアを生かして、シニア市場を開拓
高齢社会超先進国日本/複眼の必要性/シニアの本質は、「バラツキ」/
シニアマネーの大きさ/人生の第二ラウンド/
シニアベンチャー、「超サラ」のすすめ/シニアマーケットのさまざ広がり/
多品種・少量・便利・割高/老後の不安は時と共に小さくなる?/
次の10年が大切
第10章 社長のリストラ
究極の反省とリストラ/需要過多、供給過少、チェックの空洞化/
新興国家のタイムラグ/哲学なきフロントランナー/世代の危機/
システム疲労/歴史の加速、システムの手直し/トップの世代交代/
望ましいトップの三つの「観」と「眼」/マクロマネジメントの理論/
将来のための、育成と健康維持/ミドルによるトップの信任投票/
歴史の歯車を回すのはトップ自身
終 章 デジタル人本主義で日本企業再浮上
技術のデジタル、経営のデジタル/なぜ人本主義はオーバーランするのか/
経営合理性、管理会計システム、個性/ヒトと投資のバランスを取り戻す/
従業員主権と株式会社制度/株主と従業員、どちらが目的、どちらが制約/
資本市場からの圧力は「正しい声」か/株式市場は本当に危険資本供給の場か/
市場と組織、カネとヒト--そのミックス/ミックスは歴史の中で揺れ動く/
ヒトの安定的ネットワークへ/シリコンバレーの秋
内容説明
人本主義を守れ!IT革命、シニア市場、東アジアの復活をバネに日本は再浮上する!哲学なきリストラ論を論破し、この国の経営のかたちを追求する、ビジネスマン必読の本格的経営改革論。
目次
序章 カネとヒトの複合不況
第1章 資本主義の逆襲?
第2章 人本主義は死なない
第3章 戦略なき投資の悲劇
第4章 事業地図の塗り替えとしてのリストラ
第5章 雇用を「守る」、雇用を生み出す
第6章 若い力を活かす人事
第7章 IT革命こそ日本のチャンス
第8章 東アジアとの分業が日本を助ける
第9章 シニアを生かして、シニア市場を開拓
第10章 社長のリストラ
終章 デジタル人本主義で日本企業再浮上