内容説明
混沌か安定か。世界の未来はユーラシアのパワー・ゲームで決する。卓抜な戦略家としての透徹した思考で、日米中ロ独仏など大国小国の攻防を読み解き、新世紀世界の構図を鮮やかに描く傑作。
目次
第1章 新しいタイプの覇権
第2章 ユーラシアというチェス盤
第3章 民主主義の橋頭堡
第4章 ブラック・ホール
第5章 ユーラシア・バルカン
第6章 東アジアの錨
第7章 結論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バルジ
1
現在の国際情勢を頭に入れて読み進めると20年前と現在との対比ができて面白い。 唯一気になるのは日本に対し、重要な同盟国としつつも過去を印象し未だにある種の警戒感を抱いているところで、中国に対するやや楽観的な見通しとあいまって対照的な部分は、世代的な面もあるだろうがアメリカの有力な国際政治学者の意見として注目せねばならないと思う。2017/06/02
JVSTINIANVS
0
そして、私がこの著作を通して一番思った事が、やはり日本がこのまま単調な外交政策をとり続けていたら、日本は東アジアで確実に孤立してしまう。それは日本人だけの問題ではなく、日本の外国政策を束縛するアメリカ(若干東アジア諸国も)にも問題がある。日本にとって、アメリカと中国のどちらに比重をおくか、と言ってもアメリカに比重をおくのは当然なのだが、中国とアメリカの間にピンと張った綱の上を、どういう具合で綱渡りしていけばいいのか。これは日本にとっては相当難しい問題で、この事をなんとか上手く調整していかない限りヤバイ。2017/09/15
JVSTINIANVS
0
ブレジンスキー氏はこの著作で主に、アメリカ合衆国の世界覇権、東アジアの地政学的状況、ソ連崩壊後のロシア、ヨーロッパの統合過程について述べている。特に東アジアの地政学的状況については、この問題は日本に深く関係している問題なので非常に興味深い。年々東アジアの地域大国としての存在感を増している中国にたいして、日本はどのように接していくべきなのか、という疑問に対するビジョンを提示している。中国と日本の距離感、アメリカと日本の距離感をどようにバランスよく保っていけるか、それこそが問題だ。2017/09/14
ろーじゃ
0
現代のアメリカの外交政策に大きな影響を与えるブレジンスキー氏の著作です。日本はアジアに属しつつも、領土問題や政治関係の冷え込みから、アジアの国家として居心地の悪さを感じているという指摘が的を得ていてドキッとしました。 各中央アジア国家の特徴と、ロシアとの関係の説明が丁寧で、思わぬ収穫が得られたのは◎。2012/12/11
shiaruvy
0
コメント予定